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SOMPOの挑戦 “管理職公募”時代に問われる「自由の両輪」:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
SOMPOホールディングスが22年4月から、60ある全ての課長職を公募制にすると発表し、話題になっている。変化の激しい時代の中で、「自分から手を挙げて挑戦すること」はとても大事だ。しかし同時に、経営者が目を向けるべきものがある。
会社員の最大の“リスク”は上司──。
かれこれ20年近く、800人以上のビジネスパーソンにインタビューする中で、こう感じることが度々ありました。
「上司に嫌われてるから、課長になれない」
「上司とウマが合わなくて、降格させられた」
「結局、上司が気に入る仕事をする人が出世する」
「成果主義になってから上司の顔色を伺うやつが増えた」
こうした「上司の壁」に一石を投じる手段になるかもしれない“新制度”を、損保ジャパンなどを傘下に持つSOMPOホールディングスが導入すると公表し、話題になっています。
報道によれば、2022年4月からは60ある全ての課長職を公募制にするとのこと。ポストによっては一定の実務経験が条件になるものの、「年齢制限なし、現在の役職制限なし!」で、誰でも手を挙げられます。
同社ではすでに20ある部長ポストは公募制としているので、企業側が期待する効果がある程度検証できたということなのでしょう。いずれにせよ「管理職の公募制」自体は少しずつ他の企業でも広まっているので、SOMPOホールディングスの導入をきっかけに一気に広がる可能性は高いと思われます。
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