家具・家電のサブスク「CLAS」の売り上げが、3倍ペースで伸びているワケ:採算より「ビジョン」を優先(2/6 ページ)
家具・家電のサブスクリプションサービス「CLAS」(クラス)は、9月に総額約21億円の資金調達を発表した。毎年3倍ペースで成長している同社は、この資金調達でさらなる事業規模の拡大を狙う。どのような暮らしの未来を描き、どのような戦略で事業成長を遂げてきたのか。
軽やかな意思決定、自由な選択を提供
18年にサービス提供を開始したクラスは、100社を超えるメーカーの家具・家電と、約100点の自社プライベートブランド家具を月額のサブスクリプションでレンタルする事業を展開している。
月額440円、最低利用期間3カ月からのレンタルが可能で、個人と法人の両方にサービスを提供。個人の利用者は、20〜30代のミレニアル世代が中心だ。継続利用すると、3年目からは利用料が50%オフ、4年目からは80%オフと、長く使うほどお得になる。不要になったら返却、または交換が可能で、気軽に空間設計ができることで若者や法人の支持を得ているようだ。久保氏は、「自分自身がほしいサービスだった」と創業の背景を語る。
「立ち上げのキッカケは、暮らしにおける家具・家電のあり方にフラストレーションがあったこと。クラスの創業前にもベンチャー企業を経営したり、コンサルタントとして支援したりしていたのですが、一度オフィス家具を購入すると、社員数やカルチャーの変化、移転に合わせた柔軟な空間設計が難しいという課題がありました。
個人としても、自宅の引っ越しのたびに家具や家電のサイズを採寸して、搬出・搬入する手間に不満があった。家具・家電をレンタルできれば、もっと自由で軽やかな人生の選択ができると考えました」
「“暮らす”を自由に、軽やかに」をビジョンとするクラスでは、季節を問わずに使用する「常用品」と、季節に応じて使用する「季節品」の大きく2つに扱う商品が分類されている。法人向けには、オフィス家具レンタルのほか、モデルルームなどに導入するホームステージング(室内コーディネート)や家具付き賃貸用のサービスも提供。法人向けレンタルでは、必要に応じて家具の選定やコーディネートも請け負うが、コーディネート料はかからず、レンタル料と搬入・搬出時の実費のみで利用できる。
事故や不注意による破損・故障は一部の補てん料を請求するが、経年劣化による破損・故障は無償で交換するそうだ。
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