コラム
写真業界は苦戦しているのに、「セルフ式の撮影」が好調の理由:「実証実験」の結果(4/4 ページ)
プロカメラマンによる撮影や現像などを手掛ける写真業界が苦しんでいる。新型コロナによるイベント自粛などの影響を受け、売り上げが低迷しているわけだが、そんな中で「キラーン」と輝くサービスが出てきた。セルフ式の写真撮影だ。どんなサービスかというと……。
心配はしていません
スタジオという場所を貸す、プロが使っている機材も貸す。しかし、単価は安い。売り上げが減少するだけでなく、「カニバリ」(自社の事業同士で競合すること)に直面する日が、すぐそこまで来ているのかもしれない。この懸念に対して、キャラットはどのように考えているのだろうか。
「ターゲット層が違うので、心配はしていません。既存事業で撮影されるのは七五三であったり、家族であったり、成人式であったり、ブライダルであったり。いわゆる“ハレの日”需要が中心ですが、セルフ式は日常での撮影。自分たちでシャッターを押すスタイルを展開することで、新しい層を獲得できるのでは」(鈴木さん)と見込んでいる。
一度、利用することで「次はプロのカメラマンに撮ってもらおうかな」という人もいれば、プロに撮ってもらうことで「次は自分たちで撮影してみようか」という人も出てくるかもしれない。どちらも“入口”の役割を果たすことで、売り上げをさらに伸ばす武器として考えているようだ。
プリクラとプロによる撮影――。これまで、その中間に位置するサービスがなかったわけだが、そのエアポケットにセルフ式の写真撮影がうまくハマれば、写真業界の“青写真”はうまく描けるのかもしれない。
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