どこでもドアならぬ、どこでも窓「アトモフウィンドウ」が昨対比4倍で売れているワケ:未来のインタフェース(2/6 ページ)
コロナ禍で約4倍に販売数を伸ばしているという、世界とつながる窓「アトモフウィンドウ2」。独自に撮影した世界各国の映像動画を写すことができる窓は、どこでもドアならぬ、「どこでも窓」のよう。コロナ禍での需要増や事業戦略を聞いた。
風景動画で「非日常感」を味わうデジタル窓
アトモフが販売する「アトモフウィンドウ2」は、インターネットにつなげて世界中の風景映像を見られるデジタル窓で、壁にかけたり、デスクなどに立て掛けたりできる。価格帯は、プラスチック製のフレームを伴う「Basic」が4万9280円、カリモク家具製の木のフレームを伴う「Wood」が7万6780円。
本体には3本の映像があらかじめインストールされているが、それ以上の映像を見るには、1本(590円〜)ずつ追加購入するか、月額980円で見放題のサブスクリプションに加入する必要がある。映像は15分ほどで、現在1200本がラインアップされている。
任意のタイミングで映像を切り替えられるほか、時間帯に合わせて自動で映像が切り替わるモードも。音声にもこだわりがあり、2個の内蔵スピーカーに加え、画面全体を揺らす振動スピーカーを搭載。激しく流れる滝や川のせせらぎ、電車の走行音などを臨場感のある音質で楽しめる。
世界各国の映像は、自社の撮影部隊、あるいは提携するビデオグラファーが、すべてオリジナルで撮影している。ストック映像が1800本ほどあり、編集が完了次第、随時ラインアップに加えているという。
利用者の9割は個人ユーザーで、そのうち約75%が男性。30〜40代の旅行が好きな人、かつ自宅で仕事をする機会が多い人に選ばれているそうだ。漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の作者、尾田栄一郎氏も愛用者の一人。
「アトモフウィンドウは、僕自身が欲しかったデバイス。ロスアンゼルスでの留学時代に、隣のマンションしか見えない閉塞感のある窓からの景色をどうにかしたくて、試行錯誤の末にデジタル窓というソリューションを思いつきました。窓越しの景色は常に動いていて、自然な雑音が聞こえ、時間や季節によって移り変わる。その世界観を再現できる製品をつくりたいと考えました」(姜氏)
姜氏いわく、「テレビやパソコンで風景動画を流してもさほど癒やされず、人間の脳はテレビはテレビ、パソコンはパソコンとしか認識できない」とか。窓の外の景色のような安らぎを得るには、リアルな窓枠の付いた“窓に見えるデバイス”である必要があったのだ。
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