8億円のホテルをネットで「今すぐ購入」! 「NOT A HOTEL」の新規性に迫る:年30日のシェア買いも(5/6 ページ)
「世界中にあなたの家を」をコンセプトに、4月に創業した「NOT A HOTEL」。同社では、数千万円から数億円の施設をD2Cでオンライン販売する大胆なビジネスモデルを採用している。1棟買いのほかに、年間30日だけ使えるシェア買いも用意し、一定層に反響を得ているという。同社の戦略を聞いたところ……。
「現地を見てから購入したい」人はいない
那須、青島の8物件は9月28日に発売したばかりだが、すでに多くの購入希望者がいるそうだ。11月に契約手続きが行われるため、正式な購入者数の発表はそれからになるとのことだが、ほとんどが法人ではなく個人で、なかには1棟買いを希望する申込者もいたという。
「売れると思って販売しているものの、実際に数億円の施設に購入申込があったときはビックリしましたね。ただ、シェア買いの購入希望者が多いため、その需要に応えるために現在は1棟買いを中止としました。すべて1棟買いで売れたら、販売するものがなくなってしまうので(笑)。
さらに驚いたのは、いくつかあるホテルのタイプのうち、高い金額のものほど購入希望者が多いこと、現地を見てから購入したいという方がいなかったこと。今回、現地での説明会などは実施していないのですが、みなさん『グーグルマップで見たから大丈夫です』と。現地を見ることなく、オンラインで数千万円から数億円の不動産が売れるんだと分かりました」
想像以上に需要が多く、「このエリアに施設を作ってほしい」という問いわ合わせも少なくないそうだ。幸先の良いスタートを切ったように見えるNOT A HOTELだが、今後の課題はどこにあるのか。
「販売中の那須と青島のような穴場の良い土地を探すことが一番の課題であり、楽しみでもあります。東京から1〜2時間以内の関東近郊や海辺などリクエストが多い場所を筆頭に、日本各地の宝物のような土地を、自分たちの足で探していく必要があります」
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