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「自動運転バス」実用化から約1年、茨城県境町の変化は?自治体初(2/6 ページ)

2020年11月、自治体初の事例として自動運転バスを3台導入し、定時・定路線での運行を始めた茨城県境町。21年8月より停留所の数を16カ所に増やして、土日の運行も開始した。約1年間の実用化によって、町にどんな変化があったのか。

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境町が「自動運転バス」を導入した3つの理由

 境町が自動運転バスの導入に踏み切ったのは、どんな理由だったのか。中島氏は、「強いリーダーシップ」「明確な交通課題」「複雑な道路環境」の3つをあげた。

 現在45歳の境町の橋本正裕町長は、14年に町長に就任したのち、ふるさと納税寄付額を4年連続関東1位に導いた敏腕。マーケティング戦略や若さゆえの行動力などが支持されて、18年に町長の再選を果たした。新たな取り組みにも意欲的で、自動運転バス導入のために5年間で5億2000万円の予算を計上している。

 その背景には、鉄道駅がなく路線バス網も不十分である境町の交通課題があった。高齢ドライバーや自転車が多く、幅の狭い道路が点在するといった複雑な道路環境も。こういった地方都市によくある交通課題に対して、境町をロールモデルにしたいという思いもあったそうだ。


こじんまりとした「さかいアルマ」の車内。ドライバーを含め11人まで乗車できる

 「ボードリーでは、これまでに数多くの自治体と自動運転の実証実験を行ってきましたが、橋本町長は『実用化したい』という強い意向があり、十分な予算を計上してくれました。当社としても、1日も早く自治体での実用化の事例をつくりたい思いがあり、まさにビジョンが合致した好例です」

 業界に先駆けて数々の実証実験を行うボードリーと、新事業に積極的な境町がタッグを組んだというワケだ。ボードリーは自動運転車そのものを開発するのではなく、自動運転車を実用化する仕組みを提供する。

 「境町では、現時点で入手可能な世界最高技術水準の自動運転バス『ナビヤ アルマ』を3台導入。『さかいアルマ』と名付け、そのうち2台の車体デザインは境町出身の現代美術アーティストであり、虎ノ門ヒルズの壁画も担当した内海聖史(うちうみ・さとし)さんが手掛けました。運行管理は、弊社が開発したシステム『Dispatcher』(ディスパッチャー)を使用しています」

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