モノを売らずに体験を売る 資生堂が銀座の一等地で“最先端の瞑想”を提供するワケ:インナービューティーチャージ(1/4 ページ)
資生堂が銀座にかまえる「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE(以下、GFS)」は、業界内でも目新しい体験を提供している。
資生堂が東京・銀座にかまえる「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE(以下、GFS)」は、業界内でも目新しい体験を提供している。事前予約制で受けられる「インナービューティーチャージ(Inner Beauty Charge)」は日本初上陸のカプセル「ソマドーム(SOMADOME)」を使用した「メディテーション」で、ここだけで体験できる常設のプログラムだ。11月3日にはオープン時から内容をリニューアルした。
メディテーションとは“瞑想”のことで、心を落ち着かせ、自分と向き合う行為だ。忙しくデジタルに囲まれた現代人に最適だという考えから、欧米を中心に広まりつつある。なぜ、資生堂はこの体験に力を入れているのだろうか。
「SHISEIDO」の平山友哉・VMDエクセレンスグループ マネージャーは「GFSのコンセプトはデジタルとヒューマンタッチ。テクノロジーを活用してお客さまの好きなタイミングで、好きなように体験してもらうのがストアの狙いだ」と語る。
ブランド「SHISIEDO」は、資生堂の中でも中核を担う存在で、世界88の国と地域で展開する。GFSは東京オリンピック開催に合わせ、ブランドを国内外にアピールする目的で作られた。テーマはフロアごとに異なり、1階は商品やデジタル技術を活用したセミセルフゾーン。
体験結果を記録し、購入したい商品をカートに入れられるリストバンド「S CONNECT」や、商品情報をタッチパネル上で調べて比較検討できるデジタルテスターなどを活用し、人と接触することなくトライアルから購買まで体験できるフローを可能にした。美容液やファンデーションを非接触で試せるオートテスターも導入している。
また、2階では美容部員によるカウンセリングやレッスンなどの接客体験を提供する。そのどちらとも違うのが、地下1階の「インナービューティーチャージ」だ。
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