北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/11 ページ)
JR北海道の釧網本線が全通90周年を迎えた。記念行事の一つとして、地図塗りつぶしゲーム「テクテクライフ」を使ったデジタルスタンプラリーが開催。全国からゲームのファンが来訪するなど、この取り組みが沿線地域の活性化に貢献しているという。ローカル鉄道と最先端デジタル技術のゲームのコラボは、なぜ実現したのか。
準備期間は3カ月、手応えはリアルタイムで
杉山: 4月に顔合わせをして、7月に網走でサービスインして釧網本線90周年に提案して10月1日にスタート。半年しか経ってないですね。話がトントン拍子に進んだのはいいけれど、準備が大変だったんじゃないですか。
田村氏: そうですね。でも、網走の方々がとても熱心で、近藤さんや、まちづくり会社「まちなか網走」さん、網走市さんなど皆さんがすごくエネルギッシュに「ここをチェックインスポットに」「こういう文章を入れたい」「この写真を使ってほしい」と細かく提案し、素材も用意していただいたので、とても助かりました。
近藤氏: 「オホーツク流氷館」と「博物館網走監獄」は、入館料を支払ってから入る敷地内にチェックインコードがあるんです。つまりお金払わないとチェックインできない仕組みです。
杉山: 集客イベントだから、そこはキッチリしてるんですね。
近藤氏: でも、「オホーツク流氷館」と「博物館網走監獄」は、デジタルスタンプラリー参加者向けの割引制度をわざわざ作ってくれました。
杉山: 「オホーツク流氷館」は入館料と流氷ソフトクリームのセットが120円引きの1000円、「博物館網走監獄」は入館料大人1100円が990円。学生、生徒も約1割引ですね。チェックインにお金払うのか……なんて思いますけど、どちらも割引入場で楽しめちゃう。私は2月にどちらも行きましたけど見応えのある施設ですよね。ゲーム自体は参加無料だから、これはおトクです。
近藤氏: 市内の事業者さん、テクテクライフ制作チーム、間をつなぐ僕たちがとても良い関係で相乗効果を発揮できました。実際にお客様が増えているから、網走の人々の気持ちも良いほうに変わった。これを釧網本線全体に広げると、鉄道路線の活性化につなげられます。
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