SFA・CRMの「入力が面倒くさい」「活用しきれない」を防ぐためのチェックリスト:よくある失敗から学ぶ!(2/4 ページ)
SFAやCRMの導入が進み、営業活動において“なくてはならない存在”になりつつある。一方、「入力が面倒くさい」「活用し切れていない」との声も多い。よくあるSFA・CRM活用の失敗パターンに触れながら、どうすればうまく運用できるのかを考える。
失敗事例(1)目的が不明確
まず意外と多いのが、取りあえずツールを導入してしまうケースです。
「周りの会社がみんな使っているから」「なんとなく現状を打破したいから」「上司に言われたから」など、理由はさまざまですが、現場からの理解がない状態で導入が進んでしまうことがあります。
目的が不明確なまま導入してしまうと、逆に業務量を増やしてしまい、結果的に売り上げが落ちてしまった──なんてことも少なくありません。社員のモチベーションダウンにつながってしまうこともありえます。
SFA・CRMは、使いこなせれば便利なツールであることは間違いありません。社外の方から話を聞いて、すぐに導入したくなることもあると思います。しかし、まずは一度立ち止まって、「現在の課題をどのような機能によって解決するのか」という目的を明確にしてから導入しましょう。
失敗事例(2)管理者と責任範囲が不明確
目的を定めて導入しても、その後に運用がうまくいかなくなることがあります。その要因として一番多いのが、管理者や責任範囲が不明確なケースです。
中小規模の企業だと、経営者主導で導入まで進めても、その後に管理者までしっかりと接続されていなかったり、ツールの管理者は兼務体制になったりということが少なくありません。すると、責任範囲があいまいになってしまい、せっかく導入したのにもかかわらず運用が円滑に行われない状況になってしまいます。
また、大企業の場合でも、もともとの管理者が異動・退職したことによって同じような問題が起こるケースも見てきました。“ツール周りの何でも屋さん”といった立ち位置ではなく、「いつまでに、どの数字を改善するのか」という粒度の責任範囲とセットで、管理者をアサインすることが重要です。
失敗事例(3)現場とのコミュニケーション不足
冒頭の調査でも見えた通り、多くのセールスパーソンが「ツールの入力が面倒くさい」と考えています。また、経営者や管理者からも、現場がしっかりと入力してくれない。という悩みを聞くことがあります。
しっかりと導入の目的を明確化して、管理者と責任範囲を適切に設計したとしても、現場の状況を理解していないまま動いてしまうと、このような問題が発生してしまうと考えられます。営業現場のメンバーにも、導入の目的を理解してもらう必要があります。
また、導入初期に現場から喜ばれる状況だったとしても、営業現場は日々変わるものです。そのため初期だけではなく、継続的に現場の声をキャッチアップし続けることが大切です。
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