えっ、ベッドや机が天井から降りてくるの? 米国の元アップル社員が挑む「住宅革命」:日本進出も視野(2/5 ページ)
米国のスタートアップが「Bumblebee Spaces(バンブルビー・スペース)」が天井収納の家具ユニットを提供している。ベッドや机などが天井に収納されており、スマートフォンや音声で操作すると、それらが天井から自動で降りてくるのだ。同社の創業メンバーであるSankarshan Murthy (サンカルシャン・ムルティ)氏にビジネス戦略を聞いた。
あらゆる部屋で使える天井収納家具ユニット
家賃が高い首都圏に住む人たちにとって、住宅の空間設計は頭を悩ませるもの。リモートワークが浸透しつつある今、「ゆったりしたデスクやチェアを置きたいけれど、十分なスペースがない」という人も多いだろう。そんな課題の解決を目指すのが、2017年にサンフランシスコで創業したバンブルビー社だ。
創業メンバーのムルティ氏は、テスラやアップルでの勤務経験があり、アップルウォッチやiPhoneの開発に携わっていた人物だ。創業者は3人で、Garrett Rayner(ギャレット・ライナー)氏も同じくテスラ出身のエンジニア、Prahlad Atreya(プラフラーダ・アトレヤ)氏はエンジニアリング分野の豊富なバックグラウンドを持つ。
ムルティ氏は「ロボットが家具を動かしている」と話していたが、天井部分に家具を固定するためのアンカーボルトを埋め込んで家具をつるし、コンセントからの電力とソフトウェアによって上げ下げしているそうだ。収納された家具は、スマートフォン、または音声で操作できる。
現在、提供しているのは、キングサイズとクイーンサイズのベッド、ナイトスタンド、収納、デスク。収納は1ユニット当たり35キログラムまで保管できる。どんな部屋でも使えるが、8フィート(約2.4メートル)以上の天井が望ましいとのこと。家具モジュールの厚みは13インチ(約33センチ)で、どんな部屋にもマッチしやすいナチュラルテイスト、かつシンプルなデザインが採用されている。
デザインを担当するのは、アップルに15年以上も勤務し、同社の美学を形成したコアメンバーのひとり、Rico Zorkendorfer(リコ・ゾーケンドルファー)氏。「デザインはリコのセンスが生きている」とムルティ氏は語っており、この洗練された美しさも同社の魅力を際立たせているようだ。
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