次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/8 ページ)
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
福井県の期待大きく、37年は新大阪が「新幹線の核」になる
24年春には北陸新幹線の金沢〜敦賀間が延伸開業する予定だ。東京〜福井間の所要時間は32分短縮されて2時間53分となる。東京〜敦賀間は3時間17分となり、こちらは東海道新幹線と米原からの特急を乗り継いだ2時間51分より長くなる。乗り換えなしが魅力といったところか。福井県としては三大都市圏と北陸3県同士の交流人口拡大に期待している。
北陸新幹線の敦賀延伸に当たり、福井県内の北陸本線の敦賀〜大聖寺間は並行在来線としてJR西日本から分離され、福井県主体の第三セクター鉄道になる。受け皿となる福井県平行在来線準備株式会社は開業時に使う会社名の公募を始めた。県民以外も応募できるとのこと。IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道と並ぶ北陸第三セクターファミリーだ。どんな名前になるか、ちょっと知恵を絞ってみようか……“ゲートウェイ”はやめような!
そして27年にはリニア中央新幹線の品川〜名古屋間が開業予定だ。静岡問題、トンネル事故問題で長引きそうだけど、公式な開業予定は27年のまま。新大阪開業は37年のままだ。北陸新幹線の敦賀〜新大阪間の開業目標も37年。そして後述の四国新幹線も37年を目標としている。37年は日本の高速鉄道ネットワークにとって重要な年になる。
前後するけれども、北海道新幹線の札幌延伸は31年春の予定で工事中だ。ここまでが着工区間である。自治体負担、JRの承認、並行在来線分離の合意など、条件が整った路線から着工してきた。しかし、国の新幹線整備計画はほかにもある。
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