30泊280万から ホテルニューオータニ、長期滞在専用「新江戸レジデンス」開業:最上級なホテル暮らしを提供
ホテルニューオータニ東京は、ガーデンタワーを改装し、長期滞在向けの「新江戸レジデンス」を開業すると発表した。
ホテルニューオータニ東京(東京都千代田区)は、ガーデンタワーを改装し、長期滞在向けの「新江戸レジデンス」を開業すると発表した。コロナ禍でライフスタイルの多様化が進み長期滞在のニーズが高まっている。一つの街のようなホテルで暮らす「レジデンス イン ホテル」をコンセプトに改装し、そのニーズに応える。
ホテルニューオータニ東京では、コロナ禍で旅行に行けない人や、政府や東京都が推奨するテレワークやワーケーションへの支援事業として、2020年夏より長期連泊型宿泊プランを提供してきた。この一年で連泊利用がコロナ前と比べて約5倍になるなど大きな反響があったという。長期連泊ニーズの高まりをふまえ、利用者の声を元に客室を新装し、新サービスを提供する。
新江戸レジデンスでは、ホテルサービスとレジデンスを融合し、その付加価値を高め、「ホテル内レジデンス」という新しい暮らし方を提案。キッチン、冷蔵庫、洗濯脱水乾燥機を設置した他、モニター付きインターホン(録画機能付き)を導入しセキュリティを強化する。また、ワークスペースやリビングルームのスペースを大きく確保するなど、セカンドオフィス、セカンドハウス、ワーケーションなど幅広い用途で利用できるようにした。
内装や室内空間には、日本古来の文様を図案化したテキスタイルや行灯(あんどん)をイメージした照明、ヒノキ風呂などを取り入れた。ユニバーサルデザインを採用し、あらゆる段差を撤廃した他、玄関に自動開閉扉を導入、リクライニングベッドを設置するなど、誰もが利用しやすくした。
施設内には24時間利用可能なワークアウトルームや会議室を用意した他、屋内駐車場を無料で利用できるようにした。ルームサービスをはじめ37か所の館内レストランや、コンシェルジュによる各種手配・予約、定額ランドリーサービスなども提供する。利用料金はプレミアムルーム(約77平方メートル)で月額(30泊)280万円から。
コロナ禍で旅行需要が減少する中、ホテル各社が長期滞在に特化した事業に力を入れている。帝国ホテルは、2月から展開している「サービスアパートメント」をタワー館の全客室に拡張し販売を開始すると発表。同サービスは発売以降、高水準の稼働を維持しているといい、その需要に対応。収入の安定化を狙う。
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