CDが苦戦しているのに、なぜ曲を取り込む「ラクレコ」は売れているのか:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
CD市場が苦戦している。売り上げが減少しているわけだが、CDをスマホに取り込むアイテムが登場し、人気を集めている。商品名は「ラクレコ」(バッファロー)。なぜ売れているのか調べたところ、3つの要因があって……。
文言は分かりやすく
売れている要因3つを紹介したわけが、分かりやすい工夫も施している。CDの曲をパソコンに取り込む作業は、リテラシーの高い人にとってはお安い御用である。しかし、この商品のターゲットとして、同社は「パソコンが苦手な人」とした。取り込む作業が大変かつ取り込んだデータをどうスマホに移したらいいのかよく分からない人に向けて、どのようなことをしているのだろうか。
例えば、同社が扱っている他の製品の取説を見ると、スペックについて「〇△×〜〜」と書かれている。スペックが高いのか、どのような使い方ができるのかといったことが記されているわけだが、ラクレコの場合、1ページ目から「このように設定すれば、使えますよ」といったことが視覚で伝わるように表現している。
どのようなことが書かれているのかというと、「Step1 CDレコーダーアプリ『ラクレコ』をインストール」「Step2 本製品を電源に接続」「Step3 本製品と端末をWi-Fi接続し、CDの楽曲を取り込む」だけである。同社がこれまでターゲットにしてきた層ではないので、開発担当者は社内の女性に「この表現のほうがいいかな?」「どのようにすれば伝わるかな?」といったことを確認しながら、進めていったそうだ。
このほかにも、本体に記載されているWi-Fi帯域切替について、他のアイテムであれば「2.4GHz/5GHz」などと書かれているが、ラクレコでは「屋外用/屋内用」という言葉で表現した。暗号化キーのことも「パスワード」としたり、SSID(無線LANのアクセスポイントを識別するための名前)のことも「Wi-Fiの名前」としたり、わずらわしい操作を苦手としている人でも「これだったら、自分でも使えるのでは?」と感じられるような工夫を重ねているのだ。
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