東京ラーメンストリートに初出店した熊本「天外天」 社長がこだわる「食のブランド」とは:アルバイトから社長に(3/5 ページ)
2021年の話題を集めたのが「東京ラーメンストリート」の「ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート」だ。「支那そばや」の後を継ぐ第2弾として出店したのが、熊本を代表する名店「天外天」。出店に至った経緯や東京で経営する厳しさを、小田圭太郎社長に聞いた。
接客は教えない
――スタッフの人材確保と面では苦労はありましたか。
ホールスタッフの確保が一番苦労しました。コロナ禍もあり、最近では飲食のアルバイトが倦厭されていて、時給をどれだけ出しても求人が集まらない問題があります。東京駅店を出すにあたり、熊本では考えられない高い時給を出しても、応募がありませんでした。結局、ここは知り合い伝いで、経験の有無に関係なく集めるしかありませんでした。
――経験がない人には、接客を一から教える必要も出てきますよね。
接客に関しては、僕は「来た人来た人に笑顔でやってください」しか言いません。笑顔で接客する人に怒るお客さんはいませんから。後はフォローしますので。
――なるほど。その考え方は小田社長が経験の中で体得してきたことなんでしょうか。
そうですね。厨房をはじめとする技術面は、スープを作る人たちには必要です。一方の接客は、人それぞれ持っているポテンシャルを出してもらった方が、いいと考えています。接客は人それぞれで良い。
だから僕としても指導する必要はないなと思うんです。自分はお客さんとペラペラ喋るほうではありますが、喋らなくても笑顔があればいいので、そこはあまり心配してないです。新人がここに立って接客をしようと、ニコニコしていればみんな優しく声をかけてくれるよと言っています。
――東京駅店を開く上で、何を一番大事にしたいですか。
最終的にはお客さんにどう受け入れられるかだと思うのですが、基本的に僕は「この店の中だけでも熊本にしたい」と思っています。お客さんが期待されているのは、熊本のラーメンを味わいたいと思って来られているのかなと思います。
だからお店としてはいつも通りのことすればいいんじゃないかなっていう気構えでいますね。プレッシャーはありますが、こう考えるほうが少しは気が楽になりますし、無理をしてわざわざ東京のスタイルに合わせる必要はないと思っています。
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