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コロナ禍のホテルで激増した「テレワークプラン」 “大きな声では言えない”ニーズがあった!瀧澤信秋「ホテルの深層」(3/3 ページ)

インバウンド活況から一転、需要が激減したホテル業界。その中で筆者は「ホテルのボーダーレス化」が顕著になったと指摘する。その中で目立った「デイユース利用」だが、ビジネスパーソン以外に目立った需要があった。それは……

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コロナ禍で目立つレジャーホテルの健闘

 さらに、これは一般的なホテル業界情報では出てこない話であるが、先述したデイユースとカップル需要について、ホテルカテゴリーでいえばレジャー(ラブ)ホテル需要もコロナ禍で印象的であった。

 無論、他の業態同様に影響は深刻であったが、シティー・ビジネスといった業態間で比較すると、レジャーホテルの健闘は光っていた。コロナ禍〜緊急事態宣言の発出という厳しい状況が続いていた当初、いくつかのホテルを定点観測的に調査してみると、都市部のターミナル駅の立地は壊滅的という一方で、郊外のハイセンスな人気施設は日中から満室が続出していた。

 先日、とあるレジャーホテルの経営者と懇談する機会があった。コロナ禍で“こうでしたか?” と手を下向きにジェスチャーしたところ、“いえ、こうでした”と手を上に指した姿が印象的であった。別の郊外人気レジャーホテル施設でも、緊急事態宣言前後で過去最高の売り上げを記録したとの話もあった。

ホテル
(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 都市部施設が低調という半面、郊外店が繁盛という図式は、まさにホテルのカップル需要が際だっていたことを意味する。

(前編了)

著者プロフィール

瀧澤信秋(たきざわ のぶあき/ホテル評論家 旅行作家)

一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。

日本を代表するホテル評論家として利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。評論対象は宿泊施設が提供するサービスという視座から、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、旅館、簡易宿所、レジャー(ラブ)ホテルなど多業態に渡る。テレビやラジオ、雑誌、新聞等メディアでの存在感も際立ち、膨大な宿泊経験という徹底した現場主義からの知見にポジティブ情報ばかりではなく、課題や問題点も指摘できる日本唯一のホテル評論家としてメディアからの信頼は厚い。

著書に「365日365ホテル」(マガジンハウス)、「最強のホテル100」(イースト・プレス)、「辛口評論家、星野リゾートへ泊まってみた」(光文社新書)などがある。


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