スタバを超える? シンガポール発「Flash Coffee」が人気のワケ:独自メニューに「みたらしラテ」(2/5 ページ)
シンガポール生まれのコーヒーチェーン「Flash Coffee(フラッシュコーヒー)」が、表参道に日本1号店をオープンした。2020年1月に創業したばかりだが、アジア7つの国と地域に200店舗以上を展開している。創業者でありCEOのDavid Brunier(デイビット・ブルニエ)氏と、日本事業の責任者である松尾ポスト脩平氏に事業戦略を聞いた。
店舗面積を抑え、「高品質・低価格」を実現
日本では、まだ知名度が低いフラッシュコーヒーだが、シンガポール、インドネシア、タイではかなりの店舗数を持ち、10〜20代の若者を中心に人気を得ている。
同ブランドが支持される大きな理由の一つが、高品質・低価格であること。スターバックスと同様にアラビカ豆を100%使い、世界トップレベルのバリスタがメニューの監修を務めるスペシャリティコーヒーを、スターバックスよりも低価格で提供しているのだ。
もっとも安い「リストレット」は270円。スターバックスと比較すると、「スターバックスラテ(トールサイズ・350ミリリットル)」が418円に対し、フラッシュコーヒーの「ラテ(Rサイズ・340ミリリットル)」が380円。
飲料メニューは、ノンコーヒーやティーも含めて20種類ほどあり、各国の嗜好(しこう)に合わせてメニューが異なる。イタリア名物のココアパウダーとヘーゼルナッツが入ったスプレッド・ヌテラを使った「ヌテララテ」や、アボカドパウダーを使った「アボカドラテ」などの独自メニューも。松尾ポスト氏によると、これらのメニューは意外性と相性のどちらもバツグンであるという理由で採用されたそうだ。
今回、筆者は海外滞在中で試飲できなかったが、松尾ポスト氏いわく、「ヌテラもアボカドも驚くほど相性が良く、甘いコーヒーが得意でない人も飲みやすい。後味にアボカドの風味をしっかり感じる」とのこと。やや浅煎りの焙煎で、苦味が少なくフルーティーな風味も特徴だ。
高品質・低価格を実現できる一番の要因は、店舗面積を最小に抑えていること。テークアウトでの販売をメインにしており、どの店舗も座席数は少なめ。写真に映えるイエローの外観も特徴的だ。不動産を選定する際は、人通りや周囲のビルで勤務する人の数、デリバリーデータなど、あらゆる数字をそろえ、十分に勝算がある場所を選ぶ。
さらに、優秀なエンジニアチームを持ち、不動産の選定、店舗設計、店舗オペレーション、マーケティングなどを自社で行うことでスピードを向上させ、今では1日に1店舗以上をオープンさせているという。
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