スタバを超える? シンガポール発「Flash Coffee」が人気のワケ:独自メニューに「みたらしラテ」(3/5 ページ)
シンガポール生まれのコーヒーチェーン「Flash Coffee(フラッシュコーヒー)」が、表参道に日本1号店をオープンした。2020年1月に創業したばかりだが、アジア7つの国と地域に200店舗以上を展開している。創業者でありCEOのDavid Brunier(デイビット・ブルニエ)氏と、日本事業の責任者である松尾ポスト脩平氏に事業戦略を聞いた。
アプリによる事前オーダー「グラブ・アンド・ゴー」を推進
フラッシュコーヒーの戦略においては、テクノロジーとの融合も欠かせないポイントだ。同ブランドでは、専用のアプリを通じて注文、カスタマイズ、支払いを行い、店舗でピックアップする「grab & go(グラブ・アンド・ゴー)」のスタイルを推進。顧客は、最短15分後からピックアップ時間をセレクトできる。
このテークアウトスタイルは海外では比較的主流で、店舗での待ち時間を減らせる、オペレーションをスムーズに行える、顧客のデータを取得できるなどのメリットがある。
加えて、専用アプリを活用することでリピーターの獲得にもつながるようだ。同ブランドでは、コーヒーを購入するごとに貯まる「Flashポイント」のほか、マイレージカードのように、購入金額や頻度によってブロンド、シルバー、ゴールドとステータスが上がっていく「ロイヤリティポイント」を付与。ゲーム感覚でポイントを貯められるチャレンジシステムもあり、ポイントを貯めたくなるような仕組みをつくっている。
同ブランドのメインターゲットは、25〜35歳のテクノロジーに精通したミレニアル世代。その層を中心に前後の世代からも支持されており、18〜45歳の顧客が89%を占める。現状は、顧客の20〜30%がアプリを通じて、注文や支払いをしているようだ。いずれは、アプリで取得したデータを活用して顧客の嗜好に応じたマーケティングの展開も見据えている。
店舗スタッフ専用の「バリスタアプリ」もあり、注文確認や各店舗間の情報共有に役立っている。将来的には、各バリスタや店舗のパフォーマンスをリアルタイムで確認できる仕組みをつくり、業績によってインセンティブを付与することも考えているという。店舗の在庫管理においても、自動で管理できるシステムを開発中とのこと。極限までオペレーションを自動化し、とことんデータドリブンを貫くようだ。
関連記事
- 緑茶の「朝ボトル」を販売して、なぜ売り上げが1.8倍になったのか
名古屋市に店を構える日本茶カフェが、緑茶の「朝ボトル」を販売して、話題を集めている。店の外でボトルを販売して、飲み終わったら返却するだけ。1本300円のボトルを販売したところ、店の売り上げが1.8倍になったという。その謎に迫ったところ……。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - 真っ先に変えるべきは日本人の「思考」 オードリー・タンが貫く「透明性」と「多様性」
新型コロナの封じ込め戦略など、台湾の存在感が抜きん出ている。その中心人物として活躍しているのが、デジタル担当政務委員大臣のオードリー・タン氏だ。コロナ禍を通じて、日本が台湾に学ぶべきことは何か。 - えっ、ベッドや机が天井から降りてくるの? 米国の元アップル社員が挑む「住宅革命」
米国のスタートアップが「Bumblebee Spaces(バンブルビー・スペース)」が天井収納の家具ユニットを提供している。ベッドや机などが天井に収納されており、スマートフォンや音声で操作すると、それらが天井から自動で降りてくるのだ。同社の創業メンバーであるSankarshan Murthy (サンカルシャン・ムルティ)氏にビジネス戦略を聞いた。 - どこでもドアならぬ、どこでも窓「アトモフウィンドウ」が昨対比4倍で売れているワケ
コロナ禍で約4倍に販売数を伸ばしているという、世界とつながる窓「アトモフウィンドウ2」。独自に撮影した世界各国の映像動画を写すことができる窓は、どこでもドアならぬ、「どこでも窓」のよう。コロナ禍での需要増や事業戦略を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.