スタバを超える? シンガポール発「Flash Coffee」が人気のワケ:独自メニューに「みたらしラテ」(4/5 ページ)
シンガポール生まれのコーヒーチェーン「Flash Coffee(フラッシュコーヒー)」が、表参道に日本1号店をオープンした。2020年1月に創業したばかりだが、アジア7つの国と地域に200店舗以上を展開している。創業者でありCEOのDavid Brunier(デイビット・ブルニエ)氏と、日本事業の責任者である松尾ポスト脩平氏に事業戦略を聞いた。
フードデリバリー業界出身の若きCEO
創業者のデイビット氏(31歳)はドイツ出身の若き実業家で、ドイツのDelivery Hero社(デリバリーヒーロー)が所有するフードデリバリーサービスFoodora(フードラ)でCMOやCEOを務めていた人物だ。1年以上にわたりシンガポールで勤務した経験から、アジア市場において高品質なコーヒーが非常に高単価であることに疑問を感じ、20年1月にフラッシュコーヒーを創業した。
共同創業者は、大手コンサルティング会社のBain & Company(ベイン・アンド・カンパニー)でリーダーを務めていたSebastian Hannecker(セバスチャン・ハネカー)氏(34歳)で、2人は出会ってすぐに意気投合し、事業をスタートさせたという。
「私は、高品質で高単価のニッチなブランドでも、そこそこの品質で低単価なチェーンブランドでもなく、最高品質ながら価格を抑えたコーヒーを広く提供したいと思いました。敷地面積が広く高価な店舗を持たないこと、テクノロジーを融合させることで、このビジネスモデルを実現させています」(デイビット氏)
コストを抑えたぶん、顧客に還元する。テクノロジーを駆使して顧客のニーズを知る。そして、ターゲットにしっかりリーチできる場所に店舗を構える。この戦略が功を奏し、東南アジアにおいて、前年比20倍ほどのハイペースで成長しているそうだ。
これまでのところ事業は順調そのものだという。唯一、新型コロナの流行は予想外だったが、テークアウトを中心にオペレーションを設計していることから、この緊急事態にも適応できたとデイビット氏は語った。21年4月には1500万米ドル(約16億円)の資金調達も実施し、ますますハイペースでアジア市場を攻める姿勢を見せている。
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