スタバを超える? シンガポール発「Flash Coffee」が人気のワケ:独自メニューに「みたらしラテ」(5/5 ページ)
シンガポール生まれのコーヒーチェーン「Flash Coffee(フラッシュコーヒー)」が、表参道に日本1号店をオープンした。2020年1月に創業したばかりだが、アジア7つの国と地域に200店舗以上を展開している。創業者でありCEOのDavid Brunier(デイビット・ブルニエ)氏と、日本事業の責任者である松尾ポスト脩平氏に事業戦略を聞いた。
日本1号店がオープン。独自メニューに「みたらしラテ」
そんななか、他国より少々遅れて日本1号店が表参道にオープンした。格好の不動産と人材がそろったことから出店を決めたという。
表参道交差点近くの青山通り沿いに位置する1号店は、1階にバーカウンター、2階に10席のイートインスペースがある。こじんまりしているが、ブランドを象徴するイエローで彩られた外観は存在感がある。
日本限定メニューとして、「みたらしラテ」(550円)と「梅昆布茶」(355円)があり、日本で販売するすべてのメニューは、「ワールド ラテアート チャンピオンシップ 2013」で優勝したバリスタの吉川寿子氏が監修を務める。
フラッシュコーヒーのPR担当者いわく、「みたらしラテは、みたらし団子を食べながらコーヒーを飲んでいるような感じ。甘いとしょっぱいが交互に味わえてクセになる」とか。一番人気は定番のアメリカーノやラテだが、みたらしラテの売れ行きも好調のようだ。ターゲットの若い世代だけでなく、40代以上の顧客もチラホラ見られるという。
日本展開を牽引(けんいん)する人物として白羽の矢が立ったのは、米国のファッションブランド、Abercrombie & Fitch(アバクロ)の日本進出や世界的にフレキシブルオフィスを展開するWeWork(ウィーワーク)の日本展開に携わった松尾ポスト脩平氏(36歳)だ。
過去10年近く、海外ブランドの日本進出を担当した経験が評価され、フラッシュコーヒーからオファーがあり、11月初旬に入社したばかりだという。
「これまでの常識を壊すようなブランドの概念に共感し、入社を決めました。日本は、1人当たりのコーヒーの消費量、所得水準、人口密度などの観点で、非常に重要なマーケット。今後、アジア市場でもっとも成長するかもしれません。すでに新店舗の話も進めており、22年中に最大75店舗のオープンが目標です」(松尾ポスト氏)
デイビット氏も、「日本はアジアでもっともポテンシャルの高い市場の一つ」と期待感を示した。
「当面の目標は、アジアでナンバーワンのコーヒーブランドになること。アジアの主要都市で500メートルごとにフラッシュコーヒーがある状態をつくりたい。コーヒー業界で唯一の存在となれるよう、サービスのクオリティーを追求していきます」(デイビット氏)
表参道店では、まもなくデリバリー事業も開始されるという。フラッシュコーヒーは、スターバックスを超える存在になるのか。22年以降の動向にも注目したい。
写真提供:フラッシュコーヒー
関連記事
- 緑茶の「朝ボトル」を販売して、なぜ売り上げが1.8倍になったのか
名古屋市に店を構える日本茶カフェが、緑茶の「朝ボトル」を販売して、話題を集めている。店の外でボトルを販売して、飲み終わったら返却するだけ。1本300円のボトルを販売したところ、店の売り上げが1.8倍になったという。その謎に迫ったところ……。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - 真っ先に変えるべきは日本人の「思考」 オードリー・タンが貫く「透明性」と「多様性」
新型コロナの封じ込め戦略など、台湾の存在感が抜きん出ている。その中心人物として活躍しているのが、デジタル担当政務委員大臣のオードリー・タン氏だ。コロナ禍を通じて、日本が台湾に学ぶべきことは何か。 - えっ、ベッドや机が天井から降りてくるの? 米国の元アップル社員が挑む「住宅革命」
米国のスタートアップが「Bumblebee Spaces(バンブルビー・スペース)」が天井収納の家具ユニットを提供している。ベッドや机などが天井に収納されており、スマートフォンや音声で操作すると、それらが天井から自動で降りてくるのだ。同社の創業メンバーであるSankarshan Murthy (サンカルシャン・ムルティ)氏にビジネス戦略を聞いた。 - どこでもドアならぬ、どこでも窓「アトモフウィンドウ」が昨対比4倍で売れているワケ
コロナ禍で約4倍に販売数を伸ばしているという、世界とつながる窓「アトモフウィンドウ2」。独自に撮影した世界各国の映像動画を写すことができる窓は、どこでもドアならぬ、「どこでも窓」のよう。コロナ禍での需要増や事業戦略を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.