大宮発の“地元カプセルトイ”が、なぜ3万個も売れているのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
さいたま市大宮区にある名所などをキーホルダーにして、カプセルトイで販売したところ、売れに売れている。地元の喫茶店、いまは存在しないデパートのキーホルダーなどがなぜ売れているのか。生みの親に聞いたところ……。
住みたい街はどこですか――?
住宅情報誌などから「住みたい街ランキング」が発表されていて、首都圏でいえば「吉祥寺」「恵比寿」「横浜」は人気エリアとして上位に並んでいることが多い。このほかにも「目黒」「渋谷」「鎌倉」あたりも上位に入っていることが多いが、実は埼玉県の“2つの街”も健闘しているのだ。
不動産サイト「SUUMO」が発表したランキング(2021年関東版)をみると、4位に「大宮」、8位に「浦和」がランクインしているではないか。「たまたまでしょ。近くにマンションが建つので、人気が上昇したのでは?」と思われたかもしれないが、実は大宮と浦和は4年連続でトップ10入りしているのだ。
だが、しかしである。「住みたい」という人は多くても、街を元気にするような面白いモノは? と聞かれると「うーん。なにかあったかなあ。特に、大宮は浮かばない」と感じたかもしれない。なにもディスっているわけではなく、駅前には「ソニックシティ」があるし、プラネタリウムを楽しめる「さいたま市宇宙劇場」があるし、「鉄道博物館」もある。このほかにも、駅前の「大宮すずらん通り」はにぎわっているし、パワースポットとして有名な「武蔵一宮氷川神社」もある。
地元住民も「あるにはあるが、うーん、ちょっと違うかも」と感じたかもしれない。であれば、自虐的に強引に引っ張り出せば、面白いモノになるのではないかと考えた人がいる。大宮駅前のファッションビル「アルシェ」で、社長を務める中島祥雄さんだ。
さいたま市大宮区にある、知る人ぞ知る“名所”をキーホルダーにした「大宮ガチャ」(1回300円)をつくったところ、売れに売れている。2021年3月に第1弾(8種類)を限定1000個で販売したところ、わずか2日で完売。その後も、新しいアイテムを投入しところ、いすれも好評で累計販売数は3万個を超えている。また、9月に浦和版のカプセルトイを発売したところ、こちらも好評で初日に1800個が売れて、累計1万5000個を突破した。
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