大宮発の“地元カプセルトイ”が、なぜ3万個も売れているのか:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
さいたま市大宮区にある名所などをキーホルダーにして、カプセルトイで販売したところ、売れに売れている。地元の喫茶店、いまは存在しないデパートのキーホルダーなどがなぜ売れているのか。生みの親に聞いたところ……。
地元版カプセルトイがウケている秘密
それにしても“地元版カプセルトイ”は、なぜここまで人気を集めているのだろうか。生みの親である中島さんに聞いたところ、「『えっ、そこ? その発想はなかったわ〜』と“地元住民を驚かせるコンテンツ”をつくることが大切なのでは」と見ている。
「地元住民を驚かせるコンテンツ」とは、どういう意味なのか。第1弾で販売されていたキーホルダーを見ていて、個人的に喫茶「伯爵亭」のロゴが入ったモノが気になった。店内はレトロな雰囲気が漂っていて、昭和にタイムスリップしたような感覚を味わえるところである。ドラマのロケ地としても使われているが、地元住民の多くが「なぜ、伯爵亭なの?」「これ、つくると思わなかったわ」と感じるほど、知る人ぞ知る店なのだ。
第1弾で、気になったモノがもう1つある。建物のデザインは「そごう大宮店」なのに、「SOGO」のロゴが入っていないのだ。SNS上では「なぜ?」「トラブルがあったの?」など、さまざまな憶測が飛び交ったわけだが、デザインミスでもなければ、ケンカをしたわけでもない。「商品をつくるにあたって、そごう大宮店さんからは『OK』をいただきました。ただ、本部の承認に時間がかかったようでして、発売のタイミングに間に合わなかったので、先方と協議して『ロゴも説明書もなしで』ということになりました」(中島さん)
こうした背景があって、ロゴなしのキーホルダーが完成したわけだ。いや、正確にいうと、未完成なわけだが、結果的にそれがよかったのかもしれない。“そごう大宮店”らしいモノを手にするために、何度もカプセルトイを回した人がいたそうだ。
このほか、学生服を扱う洋品店「DAIMARU」、JR大宮駅のオリジナルキャラ「まめおとまめこ」、大宮駅構内で毎年開催される「大宮駅東口・西口対抗連結大綱引き大会」など、大宮に縁もゆかりもない筆者でも「えっ、そこ?」と突っ込みたくなるものばかりである。
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