レシート約22万枚からドラッグストアを分析 「マツキヨココカラ」に必要な次の一手は?:mitoriz調べ(2/2 ページ)
フィールド・クラウドソーシング事業を展開するmitorizは「ドラッグストアの利用」に関する購買行動分析結果を発表した。
購入レシート22万6240枚から購買行動を分析
21年1〜12月にアンケートモニター会員が投稿した4チェーンの購入レシート22万6240枚から、購入金額全体に占めるカテゴリーを比べた。各社とも「日用品、日用雑貨」が47.5〜53.5%と最も大きくなったが、その他の構成比はそれぞれ異なる結果となった。
都市型のマツモトキヨシとココカラファインの平均は、主力の「美容・健康」(15.4%)に次いで、「食品」(15.1%)が「医薬品」(13.3%)の構成比を上回った。利用者からは「卵とヤクルト、豆乳が安いので購入している」(マツキヨ利用40代女性)、「食品は早めに割引価格になるので日常的に利用」(ココカラ利用30代女性)など、特売の食品を目当てに利用するコメントがあがった。
郊外型のウエルシアとツルハドラッグは、「日用品、日用雑貨」に次ぎ「食品」の構成比が25.6〜17.3%となった。利用者からは「スーパーと比較すれば生鮮食料品の品ぞろえはやや貧弱だが、ドラッグストアとしては平均以上だと思う」(ウエルシア利用50代男性)、「田舎なのでお店が多くなく、食品も安く購入できるため利用」(ツルハ利用30代女性)といった声が寄せられた。
各社の購入状況は?
各社の購入状況(レシート1枚あたりの平均購入個数、購入金額、1点単価)をまとめた。マツモトキヨシは、レシート1枚あたりの平均が「購入個数2.9個、購入金額1279円、1点単価444円」となり、ココカラファインでは「購入個数2.7個、購入金額1129円、1点単価423円」だった。
一方で、ウエルシアは「購入個数3.7個、購入金額1095円、1点単価296円」、ツルハドラッグは「購入個数3.8個、平均購入金額1293円、1点単価337円となった。マツキヨココカラよりも1点単価が安く、購入個数は1点近く大きくなった。
「医薬品」「美容・健康」カテゴリーの購入状況
「医薬品」の購入状況を見ると、マツモトキヨシ、ココカラファインの2社の平均値は、購入金額が1352円、1点単価が1125円だった。ウエルシア、ツルハドラッグの2社平均(購入金額1125円、1点単価931円)よりも、購入金額が225円、1点単価は129円上回った。
ツルハドラッグにおける「美容・健康」の購入状況は、平均購入金額1196円、1点単価864円で最も高く、3社と比較すると100円以上高いことが分かった。ツルハドラッグの利用者からは「化粧品の種類が豊富」「化粧品もポイントが多く付く日があり満足している」といったコメントが一定数みられ、化粧品の品ぞろえや売り方に対して、満足度が高いことがうかがえる。
また「雑貨や化粧品、医薬品のついでに食品も買えて一度で買物が済むから」(50代女性)、「生鮮食品も売っているので短時間に買い物が出来るのが便利」(30代女性)といった声があった。一部の店舗で取り組む「精肉・青果や100円均一」の導入など、コロナ禍のワンストップショッピングのニーズを取り込めていることも明らかとなった。
一方で、マツキヨココカラについて、利用者からは「薬のほか、生鮮食品の品ぞろえを増やして、普段の買い物も1度で済むようにして欲しい」(ココカラ30代女性)、「食料品をもっと充実させてくれたら嬉しい」(マツキヨ40代女性)といった声もあがった。
mitorizは「新型コロナウイルスの感染拡大状況が不透明な中では、マツキヨココカラが強みとする『美容・健康』領域の強化だけではなく、PB(プライベートブランド)商品など、良質で購入しやすい商品の品ぞろえ拡充や、新たなライフスタイルに対応するため、日用雑貨や食品の構成比のバランスを図ることも、同社が掲げる目標の実現に近づく一歩と言える」と指摘する。
調査は、全国のアンケートモニター2128人を対象に2021年7月2〜5日にインターネットで実施、21年1〜12月の4社の購入レシート22万6240枚を対象に分析した。
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