コラム
「相鉄・東急直通線」2023年春開業 巨大ネットワークで東京の交通はどう変わるのか?:都心が、ぐっと近づく(2/6 ページ)
相鉄・東急直通線の2023年3月開業が正式発表された。相鉄と東急の直通で誕生する巨大ネットワークは、単に都心にアクセス可能になるだけではない。
相鉄は都心を目指す
相鉄・JR直通線は、あくまで新宿への直通である。都心を目指すとなると、山手線の駅で乗り換えるか、横浜経由でJRに乗り換え、東京駅方面に向かうほうが妥当である。一方、相鉄・東急直通線は、ダイレクトに都心に乗り入れることができる。
都心では、東京メトロ南北線と都営三田線が東急目黒線に乗り入れている。都心から日吉までは、すでに結ばれているのだ。これらの路線では、相鉄・東急直通線を迎える前に、現在の6両編成を8両編成にする計画を発表している。東京メトロ南北線ではホームドアを8両編成対応に整備し、22年4月上旬より東急電鉄の8両編成車両を受け入れる。
都営三田線では、22年5月14日より8両編成の新型車両6500形を運行開始し、21年度末までに13編成を導入する。もちろん東急電鉄も、目黒線用車両3020系の6両編成に挿入するための車両を準備している。
東京メトロ南北線と都営三田線は利用者が少ないといわれるものの、乗ってみると混雑していることがコロナ禍前では多かった。そのあたりも、8両編成化で改善されることだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
新幹線だけじゃない! JR東海の「在来線」はどうなってるのか
JR東海といえば「東海道新幹線を運行する会社」「リニア中央新幹線を建設する会社」というイメージが強い。報道も新幹線絡みが多い。しかしほかのJR旅客会社と同様に在来線も運行している。そして「新幹線ばかり優遇して、在来線の取り組みは弱い」という声もある。本当だろうか。
函館本線「山線」並行在来線として2例目の廃止、鉄道を残す方法は?
1月31日に西九州新幹線の並行在来線、2月3日に北海道新幹線の並行在来線と、並行在来線の処遇に関する報道が相次いだ。並行在来線とは整備新幹線に平行する在来線のうち、JRが不要と切り捨てた区間だ。切り捨てられるほどなので、地元の人々の利用が少なく生活路線としての存続は難しい。それでも鉄道を残す方法はあるのだろうか。
東京に2つの地下鉄「東京メトロ」と「都営」が存在する理由
東京の2大地下鉄「東京メトロ」「都営地下鉄」はどのようにして誕生したのか。現在のビジネス状況とともに誕生の経緯を探ってみる。
鉄道業界に必要なのは「ラガード戦略」 JR東海の「きっぷうりば」が優れているワケ
日本の鉄道事業者はイノベーションを起こそうと、常に新しいことに挑戦している。一方で万人受けかというと、疑問に思うサービスも多い。「イノベーター理論」で考えると、「ラガード」「レイトマジョリティ」層は戸惑ってしまうのではないだろうか。

