コラム
「相鉄・東急直通線」2023年春開業 巨大ネットワークで東京の交通はどう変わるのか?:都心が、ぐっと近づく(4/6 ページ)
相鉄・東急直通線の2023年3月開業が正式発表された。相鉄と東急の直通で誕生する巨大ネットワークは、単に都心にアクセス可能になるだけではない。
直通運転体制はどう変わるのか
相鉄と東急電鉄、東京メトロ南北線、都営三田線が、1つの長大なネットワークになる。また、南北線の先には埼玉高速鉄道もある。相鉄は相鉄本線といずみ野線があり、それぞれの路線から相鉄・東急直通線に乗り入れることになるだろう。
その際に相鉄側のハブになるのは、二俣川と西谷である。二俣川は相鉄本線といずみ野線の接続駅、西谷は相鉄・JR直通線や相鉄・東急直通線との接続駅である。二俣川〜西谷間は、複数方向から、複数方向への列車が入り混じり、ダイヤがタイトになると思われる。だが、この両駅で各方面との接続をきちんと行うことで、どの方面の利用者も便利になる。この両駅を列車ダイヤ上どうつないでいくかが課題となる。
次に課題は、東急電鉄側の日吉である。現在、目黒線の列車の終着駅であり同一ホーム上で東急東横線と乗り換えができる。東急東横線と乗り換えしやすいダイヤにすることはもちろん検討しているだろう。
また、21000系の前に地下鉄対応型の20000系10両編成があることからも分かるように、渋谷から副都心線方面に向かう列車の設定があることも想定される。となると当然、東急東横線、東京メトロ副都心線、同有楽町線、東武東上線、西武鉄道が絡むネットワークへと影響する。相鉄の車両が西武には乗り入れないものの、東武東上線への直通は十分にある。
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