ダイキンやパナが集まって実験を続けるコワーキングスペース point0が目指す快適な“働く場”とは?:新連載・オフィス探訪(point0前編)(3/4 ページ)
“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において、会社がどう対応するべきなのか? 先進的な取り組みを進める企業を訪れ、紹介していく。
参加基準は「企画を通せるバイタリティーを持った人」
――失敗を前提にさまざまな挑戦ができる場、イノベーションが多く生まれそうですね。実際に集まった企業には何か共通点などはあったのでしょうか。
石原: 条件ではないですが、紹介制にしています。なぜかというと、発起人である私自身の考えとして、イノベーションは人と人との掛け合わせで生まれると感じているからです。1人では生み出せなくても、他の人の能力を掛け合わせることで、新しいものを生み出していく、そういうマインドを持った人たちに集まってほしい――。その理念に賛同してくれる人を大事にしました。
もう一つは、自分が在籍している会社で企画を通せるバイタリティーを持った人です。当施設では特にテーマを決めていないので、「こういうスキームで実証実験を行う」ということを社内できちんと説明できる人でないと実施は難しい現状があります。
そうした人たちが集まり、最初は6社で始まりました。徐々に増えていき、現在は計20社が参加しています(2022年1月当時)。結果的に大企業ばかりになっていますが、ベンチャーや中小企業でも理念に賛同してくれれば企業の規模には、こだわっていません。
――point0社としてのビジネスモデルはどのようになっているのでしょう。
石原: コワーキングスペース、サテライトオフィスの運営による収益と、参画企業には協賛金と実証実験を行うたびに費用が発生します。参画企業はコミッティメンバーと呼ばれ、協賛金の支払額によりプラチナ、ゴールド、シルバーとランク付けしています。ランクが高い会社ほど、実証実験費用は安くなるという仕組みです。
ただ、施設運営側からすると、企業間の協創を促したいので、シルバー会員企業でもプラチナ会員の企業と連携して実証実験を行う場合は、プラチナ料金の価格で行う事ができます。
しかも、2社分ではなく、1社の料金を割って良しとしています。参加企業が多ければ多いほど安くなります。過去最低で安かったのは、1つの実証実験を行うのに9000円というのがありました(笑)。
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