ダイキンやパナが集まって実験を続けるコワーキングスペース point0が目指す快適な“働く場”とは?:新連載・オフィス探訪(point0前編)(4/4 ページ)
“働く場”の再定義が余儀なくされた現代において、会社がどう対応するべきなのか? 先進的な取り組みを進める企業を訪れ、紹介していく。
実証実験のゴーサインは「1秒」
――料金以外でも協創を促す仕組みなどはありますか。
石原: ほかに協創させる仕組みとして特長的なのは、施設のミーティングスペースを全てガラス張りにしていることです。コミッティに入っている各企業の担当者とはそれぞれ顔見知りの人が多いのもあるのですが、ガラス張りなので、誰と誰が話しているのかが外から見ても分かります。
そのため、ミーティングが終わった後に「何の話をしていたんですか」と聞き、そのアイデアにもし自社が絡めそうなら絡んでいくことができます。そこでまた新たなイノベーションの可能性が生まれるんですね。そうした考えもあって、あえてガラス張りにしています。
ほかにも、実証実験をすぐに行えるというのも特長の一つです。大企業で実証実験を行う場合、通常は人事・総務に連絡して、安全委員会を設置し、そこに説明をしに行き、承認を得るまでに1〜2カ月はかかってしまう。
一方、ここでは企画書を持ってきてもらい、私がゴーサインを出したら、それで終わり(笑)。極論でいうと1〜2カ月かかっていたものが1秒で終わります。そういうところも参画企業の皆さまに喜ばれているのではないかと感じています。
後編では、引き続き石原社長に、今後のビジョンや思い描く未来の働き方まで話を聞く――。
著者プロフィール
太田祐一(おおた ゆういち/ライター、記者)
1988年生まれ。日本大学芸術学部放送学科で脚本を学んだ後、住宅業界の新聞社に入社。全国の工務店や木材・林業分野を担当し取材・記事執筆を行った。
その後、金属業界の新聞社に転職し、銅スクラップや廃プラリサイクルなどを担当。
2020年5月にフリーランスのライター・記者として独立。現在は、さまざまな媒体で取材・記事執筆を行っている。Twitter:@oota0329
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