しゃぶ葉やガストが導入する「配膳ロボ」の実力は? 最先端、中国のロボット事情:ロボットの活用事例(2/6 ページ)
2021年10月、すかいらーくグループは、全国2000店舗に中国製の配膳ロボットを導入すると発表。中国では、配膳ロボットのほか、レベル4の自動運転技術を備えた業務用掃除ロボットも導入が進む。中国ロボットの総合代理店を務める日本のテクトレ社と、すかいらーくグループにロボット活用事例を聞いた。
最先端の中国製「配膳ロボット」ができること
配膳ロボットの世界最大手といわれるキーンオン・ロボティクスでは、配膳ロボットを中心に、案内ロボット、ホテル用ロボット、消毒ロボットも取り扱う。代表的な製品である「T1」は、Lidar(ライダー)、3Dカメラ、深度センサーなどのマルチセンサー融合技術により複雑な屋内環境でも安定して作動し、最高10時間稼働するという。
「T1」は、単に料理を運ぶだけでなく、状況を判断して喜怒哀楽を表情で表現したり、音声で声かけをしたりもする。さらに、棚に付いた赤外線センサーにより、料理の受け渡しが終わると自動的にスタート地点に戻るほか、額をタッチすると素早く定位置に戻る機能もある。
すかいらーくグループでの導入実績を持つロボットメーカー、プードゥ・ロボティクスでは、複数の配膳ロボットやビル内配送ロボット、消毒ロボットを扱う。同社の配膳&案内ロボットKettyBot(ケティーボット)は、大型のディスプレイと案内機能を備えており、新商品などのマーケティングにも利用できる。
すかいらーくグループが導入するBellaBot(ベラボット)は、ディスプレイが猫の顔になっており、親しみやすい会話ができるほか、新型ライダーの採用など機能性が高い特徴も。耳に触れると、表情を変えながら「くすぐったいにゃ」「耳を触らないで、なでなでして」などと会話するため、子どもにも喜ばれそうだ。
両社の製品とも、日本に多い小型の店舗でも使いやすいよう、スリム設計のものが多い。最新版の製品は、天井に位置情報を検知するためのタグを貼り付けなくとも、使用前に数時間ほどのマッピング作業をするだけで、すぐに自律走行できるものが増えているそうだ。一方、天井へのタグ付けが必要な製品は、事前準備に丸1日ほどかかる。
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