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au経済圏に証券を融合 カブコムクレカ積み立て5%還元の狙い:金融ディスラプション(2/2 ページ)
カブコム証券の狙いは「au経済圏の中に証券を融合させるべく踏み出した一歩」(石月氏)だ。クレカ積み立てによる単なるポイント還元に留まらず、au回線契約者には追加の還元を行う点に、それが現れている。
通信とライフデザインの融合
今回の施策では、グループの回線契約者を優遇する。まさに本丸の通信を巻き込んだ、au経済圏の活用だ。傘下に通信と証券を両方持つ楽天グループでも、ここまで回線契約者を優遇する施策は採っておらず、KDDIとauカブコムの施策は一歩踏み込んだ感がある。
KDDIでも、証券とのシナジーに期待を寄せる。「通信と金融のクロスユースを拡大する施策の1つだ。大きな特典を用意しているので、auやUQに乗り換えてもいいというお客さまにも期待をしたい」(KDDIパーソナル事業本部サービス統括本部金融決済ビジネス部金融サービス2Gの下平正人グループリーダー)
ただし、au回線であっても、4GのUQ mobileのほか、povoが対象外だ。au/UQ mobileユーザーへの特典とうたっているにもかかわらず、細かな除外条件がついている。「povoは『ゼロから作る』ということで無料の方もいる。特典設計上、別物という扱い」(下平氏)だとした。
ポイントに反応するネットユーザーとpovoは相性がよい。コストを絞ったpovoでは、還元原資の捻出が難しかったと思われるが、多少の混乱が生じるかもしれない。
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