2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

春のダイヤ改正、「撤退戦」で鉄道各社はどんな戦略を示すのか衰退時こそ問われる(2/5 ページ)

コロナ禍で利用者が減り、苦しい状況が続く鉄道業界。それは3月のダイヤ改正にも反映されている。首都圏の鉄道各社は、どのような戦略を示しているのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

相次ぐ減便が示すもの

 3月12日のダイヤ改正、あるいは京成電鉄や京急電鉄が2月26日に行ったダイヤ改正では、減便を基本としている。

 京成電鉄が発表した2月26日のダイヤ改正では、日中時間帯の成田空港行き「特急」がなくなり、京急電鉄では京急久里浜〜三崎口間の列車を約20分おきに変更。日中時間帯の移動が少なくなったことで、本数を縮小した。利用者が減少した現実に対し、攻めの姿勢が打ち出せない状況になっている。


日中の運行本数を見直した京成電鉄(出典:京成電鉄)

 3月12日のダイヤ改正では、都心部から離れた箇所だけではなく、都心でも減便の影響が出ている。JR東日本の山手線を見てみよう。改正前には平日朝8時台は新宿発内回り21本、外回りは19本。改正後は内回り19本、外回りは16本。多くの人が利用する時間帯でもこのような状況だ。

 では、昼間はどうだろう。新宿発平日14時台は内回り14本、外回りは14本。改正後は内回り12本、外回り12本である。昼間は4分おきから5分おきになっている。

 では中央線は? 平日朝8時台は東京方面に29本あったものが、28本。14時台は13本あったものが、12本。中央線はこれでも削っていないほうかもしれない。

 都心部での減便、それもラッシュ時の減便もあるという、明らかな撤退戦の状況である。乗客の減少にあわせて、列車の本数を減らす現状追認のダイヤとなっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る