インタビュー
台湾の果物「アテモヤ」は日本で商機をつかめるか 越えるべきハードルは?:パイナップルに続け(3/4 ページ)
台湾の「アテモヤ」という果物が2021年末から、日本に輸入されている。マンゴーを凌ぐ高級フルーツとして知られ、別名「森のアイスクリーム」とも称される。21年9月、中国による突然の「輸入禁止」措置を受け、台湾は急きょ、官民連携で日本への販路開拓に乗り出した。果たして、日本市場で商機をつかめるのか。
”予想外”だった台湾パイナップルの成功
台湾がアテモヤの日本普及に力を入れる背景に、21年の台湾パイナップルの成功体験がある。
台湾パイナップルは21年3月、アテモヤ同様、中国が「害虫の検出」を理由に輸入を停止。突然の措置に農家から悲鳴が上がる中、蔡英文政権はTwitterなどを駆使し、「フリーダム・パイナップル」と位置付けて台湾支持を世界中に呼び掛けた。
日本でもSNSなどで話題が広まり、台湾パイナップルの購買運動が起きた。財務省の貿易統計によれば、2021年の日本の台湾パイナップル輸入量は、前年比8.26倍の1万7500トンを記録。1万トンの大台に乗るのは、比較可能な1988年以降初めてとなった。
「ここまで広まるとは当時、思ってもいなかった」
同事務所プロジェクトマネージャーの小清水香織さんは、台湾パイナップルの予想以上の反響に驚いたという。価格帯はフィリピン産に比べ2〜3倍し、「さすがに安さには敵わないのではないか」と感じていたというが、結果は予想を反する形になった。
日本企業からは連日「台湾を応援したい」という声が届いた。日本人の親台感情が、輸入拡大の「大きな原動力になった」と小清水さんは振り返る。
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