育休復帰者が抱く“不安” 「家事と仕事の両立」より多かったのは?:2人に1人が思うこと
これまで産休・育休を取得したことのある人は、職場への復帰にどのような不安を抱えていたのか? 復帰を決めた理由は何か? 男女300人に聞いた
産休・育休取得者の約半数が「仕事についていけるか」や「家事と仕事との両立」に不安を抱えている──人材総合サービスを展開するスタッフサービス・ホールディングス(千代田区)が行った調査で、このような結果が出た。
産休・育休の経験者に、復帰するまでに気になったことを複数回答で聞いたところ、「仕事についていけるか」が最多の53.3%。次いで、「家事と仕事との両立」(49.3%)、「復帰後の生活リズム」(39.7%)だった。
復帰した理由は?
産休・育休から復帰した理由は、「家計」(63.3%)が最も多く、経済的な理由から、職場に復帰する人が多いことが分かった。
一方で、2位以降は「自身のキャリアアップ」(29.7%)、「職場が人手不足」(24.3%)、「働くことが好き」(21.0%)、「会社や職場に貢献したい」(17.3%)と続き、自分の希望や職場への貢献を理由とする回答も少なくない。
産休・育休から復帰までに準備したことについては「子どもの預け先を見つける」が71.7%にのぼった。以下「家事や子育てを分担する」(41.0%)、「生活のリズムを復帰後に合わせる」(34.7%)と続き、家庭内における準備に比重が置かれていることがうかがえる。
2022年4月から、改正育児・介護休業法が順次施行される。企業では、労働者に対する個別の周知・意向確認や、育休を取得しやすい雇用環境の整備の義務化、有期雇用労働者の取得要件の緩和が盛り込まれる。10月からは、出生時育休(産後パパ育休)も新設される。育休・産休の取得しやすさに焦点が当てられている今、企業には、休業取得者へのさらなる理解や個別の対応が求められている。
調査はスタッフサービス・ホールディングスが、2021年12月9日〜10日、産育休を取得したことのある20〜49歳の正社員・契約社員・派遣スタッフ、男女300人を対象に、インターネットで実施した。
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