三菱地所の30代社長がつくった「瞑想プログラム」がコロナ禍で予約殺到なワケ:休館から一転、法人利用が増加(3/3 ページ)
三菱地所の新事業提案制度から生まれた没入体験型メディテーションスタジオ「Medicha(メディーチャ)」がコロナ禍で活況だ。コロナ禍で一時は休業を迫られていた状況から一転、なぜ売り上げを伸ばせたのか。Medicha共同代表の長嶋彩加さんと山脇一恵さんに聞いた。
「仕事やプライベート、どちらも丁寧に自分らしく生きる」
こうして作られたメディテーションのプログラムは4つのステップに分けられる。
まずは、(1)真っ白に統一された空間で身体感覚を自覚する「Tune In(チューンイン)」と、(2)音響や星空のような真っ暗な空間で脱力する「Open Up(オープンアップ)」を利用者のペースで行き来する。非日常に没入し思考や感情がニュートラルになったところで、(3)メインのガイダンスメディーションに従って「Shift(シフト)」で瞑想へ。最後に、(4)「Align(アライン)」で自分のためにお茶を入れて日常生活に戻る準備を整える。
扉を開けると(1)Tune Inの眩(まぶ)しい光が目に飛び込む。室内は先の2人が座っている写真のように真っ白。このTune Inを真っ暗な(2)Open Upと行き来する。整ったら(3)Shiftへ。最後に(4)Alignでお茶や季節のお菓子を楽しむ(写真右上、右下=Medicha提供)
料金は1〜4人の貸し切りコースで1回80分、2人以上の利用で一人あたり初回1万円、2回目以降は一人あたり1万2000円。法人や大人数グループでの利用は予算や目的に応じて、実施時間をカスタマイズしたプランも用意する。
体験者からは、自分と向き合い気付きを得ることで、仕事でも力を発揮できたり家族との関係が良くなったりするなどポジティブな変化を感じる声が多いという。それはMedichaを始めた想いにも通じる。
「目先の忙しさに追われて何かを犠牲にするのではなく、もっと肩の力を抜いて、自分の大切にしたいものや価値観に従って毎日の行動を丁寧に選択できるライフスタイルをつくりたかった」(山脇さん)
先述の通り、欧米のビジネスパーソンはすでに心理学・神経科学に基づいたメディテーションを生活の中へ当たり前のように取り入れているが、日本ではまだそのような風土が根付いていない。Medichaを生活の一部に取り入れて新たなライフスタイルを広めることが目標だと山脇さんと長嶋さんは口をそろえる。
三菱地所という大企業で働く二人の問題意識から始まったMedicha。会社員として本業をしながらどのように社内起業を実現していったのか。後編ではその具体的なプロセスについて詳しく解説する。
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