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三菱地所の30代社長がつくった「瞑想プログラム」がコロナ禍で予約殺到なワケ休館から一転、法人利用が増加(2/3 ページ)

三菱地所の新事業提案制度から生まれた没入体験型メディテーションスタジオ「Medicha(メディーチャ)」がコロナ禍で活況だ。コロナ禍で一時は休業を迫られていた状況から一転、なぜ売り上げを伸ばせたのか。Medicha共同代表の長嶋彩加さんと山脇一恵さんに聞いた。

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神経科学や心理学にもとづいた6種類の音声ガイダンス

 一方で、Medichaは欧米のメディテーションを日本版にローカライズしている。コンセプトは「自分に余白をつくる贅沢な時間」。誰もいない空間で自分と向き合える時間を持てるのが特徴的だ。

 「Medichaは自分ひとり、もしくは友人や家族など一緒に訪れた方以外誰もいない空間だからこそ、安心して自分の内面と向き合って過ごせます」(長嶋さん)

 先生代わりになるのは、神経科学や心理学を取り入れた日英対応の6種類の音声ガイダンスだ。個人利用で初回におすすめしているのが、前向きな気分に整える「MY CORE(マイコア)」とカラダもココロも脱力する「Feel the Sound(フィールザサウンド)」というガイダンスだが、法人利用では達成したい目標に向けて導く「VISUALISE(ビジュアライズ)」の利用が圧倒的に多い。

 VISUALISEでは、過去の成功体験を思い返す、次のプロジェクトにどう取り組むかなど、プロセスに目を向ける音声ガイダンスにより瞑想状態に導いていく。


メディテーションに煎茶文化とアートを融合させたのが特徴的。最後の部屋では一つひとつ丁寧につくられた好みの茶器を選べる

 また体験設計も没入体験の要となる。国内外の名だたるアーティストとコラボレーションして五感を解放するためのライティングやサウンド、アートのインスタレーションなどの感情や思考をデトックスする空間を構築した。

 「私たち自身、ずっと瞑想に親しんできた人間ではありません。だからこそ都会の暮らしの中でも誰もが自ずと余白を感じられるような体験が何かを模索する中で、お茶を飲んでいる時間やアートを見ている感覚に近しさを感じ、融合することでライフスタイルとして根付きやすいと考えたことがプログラムの元になっています」(長嶋さん)


Medichaのガイドブックには、コラボレーションするアーティストと専門家が名を連ねる

 メディテーションに使われるオリジナルの英語版ガイダンスは、セルフマネジメント研究で知られる米クレアモント大学ピーター・F・ドラッカー経営大学院(ドラッカースクール)准教授のジェレミー・ハンターさんが監修。「リサーチでさまざまな瞑想を体験した中でも、ジェレミー先生の講座は世の中との関わりを前提としたセルフコンディショニングの考え方が抜群に理解しやすかった」と長嶋さん。

 それを日本語版ガイダンスとして表現したのが、BTS、嵐などの楽曲を手掛ける音楽プロデューサーの岡嶋かな多さん。音響は坂本龍一らと共演してきたサウンドアーティストのコリー・フラー氏、装花は伊勢志摩サミットを飾ったお花を生けた佐々木直喜氏。そのほか空間、ライティング、煎茶なども一線級のアーティスト・専門家が携わる。

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