最大3カ月待ち! 冷凍パンのサブスクが右肩上がりに伸びるワケ:新たなパンの経済圏(3/6 ページ)
独自の冷凍技術を使った「冷凍パン」の宅配サービスが、最大3カ月待ちの人気となっている。2017年に創業したパンフォーユーは、新たなパンの経済圏を生み出しているそうだが、具体的にどんなことをしているのだろうか。同社の矢野健太社長に聞いた。
供給が追いつかない「個人向け」パンのサブスク
そうして、20年2月に開始したのが個人向けの冷凍パンのサブスクサービス「パンスク」だ。全国のパン屋から1箱8個前後の冷凍パンが届き、価格は3990円(送料込み)。発送頻度は、2週間、 1カ月、 2カ月の3パターンを用意した。
冷凍庫で約1カ月間の保存ができ、食べるときは自然解凍してトースターで焼く、あるいは凍ったままレンジでチンしてもOK。使用している冷凍技術はオフィス向けと同様だ。
同事業では、パンフォーユーが冷凍に使用する専用袋、パンを発送するボックス、同封するメッセージカードなどを支給し、各パン屋がパンを作って発送する流れだ。パン屋はパンフォーユーが開発したシステムを使って発送手配や管理を行っており、パンフォーユー側も配送状況を把握できるという。「パンフォーユー オフィス」でも、同様のシステムを使用している。
サービス開始当初は、広告を打たずにPRのみとしたが、オーガニック検索からの流入で着実に申込数が増えていった。21年から広告を打ち始め、プロモーションを厚くしていた最中、流入がグッと伸び、同年4月末には供給が追いつかなくなった。
「広告効果に加え、21年4月下旬に経済ドキュメンタリー番組『ガイアの夜明け』で取り上げられたこともあり、申込数が伸びました。その後はご登録が順番待ちとなり、現状は最大3カ月待ちとなっています」(矢野氏)
すでに21年1月時点で1日あたりの新規登録者が前月比で5倍に伸びていたが、メディア露出が追い風になったようだ。22年2月末時点で、1万5000人以上がサービスを利用している。
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