最大3カ月待ち! 冷凍パンのサブスクが右肩上がりに伸びるワケ:新たなパンの経済圏(4/6 ページ)
独自の冷凍技術を使った「冷凍パン」の宅配サービスが、最大3カ月待ちの人気となっている。2017年に創業したパンフォーユーは、新たなパンの経済圏を生み出しているそうだが、具体的にどんなことをしているのだろうか。同社の矢野健太社長に聞いた。
パン屋と販売事業者をつなぎ、100社以上と取り引き
パンフォーユーのサービスは、これだけにとどまらない。20年9月には、パンを販売したい事業者とパン屋をつなぐプラットフォーム事業「パンフォーユーBiz」にも進出した。
同サービスには複数の形態があり、全国のパン屋に協力を仰いでオリジナルの商品開発をするOEM、パン屋のパンの仕入れや販売支援、タレントやブランドなどのコンテンツを活用したパンの新規ビジネス支援まで、幅広く行う。これまでに100社以上との取り引きがあり、ユニークな事例が多く生まれているという。
「中でも当社のコンセプトを象徴するような事例は、女優の木南晴夏さんとコラボレーションした『キナミのパン宅配便』です。日本全国のパン屋さんから木南さんがセレクトしたパン6〜8個を毎月1回、6カ月に渡って冷凍便で届けるもので、6回分で2万5200円。初回セット分は、用意した数を超える応募がありました」(矢野氏)
彼女は、自身のオススメのパン屋をまとめた著書『キナミのパン宅配便』(講談社)を発売、NHK-BSプレミアム『パン旅。』にレギュラー出演するなど、芸能界イチのパン好きとして知られる。矢野氏は、「新たなパン経済圏の創出に貢献できた事例であり、当社としては木南さんとのコラボレーションを継続したい」と話した。
そのほかにも、アニメ映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』とコラボレーションして、数量限定のクリームパンを販売したり、岩下食品とコラボレーションして、同社の「岩下の新生姜」を使ったピンクニュージンジャーブレッドを販売したり、さまざまな事例がある。
この「パンフォーユーBiz」は、事業者からの問い合わせからコラボレーションに発展することが多く、オフィスや個人向けのサービスを通じてパンフォーユーを知る事業者が多いそうだ。
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