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「日曜定休」を目指す三井不動産 本格導入を先延ばしにするワケは?業界の常識を破る(3/5 ページ)

水曜を中心に平日休みが定着している不動産業界だが、業界大手の三井不動産では、いち早く“業界の常識”を破り「日曜定休」のトライアルを実施している。現在、本格導入には至っていないが、状況はどうなっているのか。三井不動産レジデンシャルの担当者に話を聞いた。

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デジタル化の波に乗り、「日曜定休」にトライ

 三井不動産では、女性管理職の比率向上、性別にかかわらず育児休業を100%取得できるような環境づくり、さまざまなキャリア研修など、多方面でダイバーシティ&インクルージョンに努めているという。

 そんななか、「日曜定休」のトライアルを開始した背景には、コロナ禍によるデジタル化の促進もあった。

 「消費者側の変化として、できるだけ対面を避けてリモートで対応したいという考えが主流になったことで、自宅のネットワーク環境が整って、デジタル機器の扱いにも慣れてきた印象が見受けられました。それに伴い、Webでの物件説明やオンライン商談が増加。従来の対面接客を減らしても、顧客満足度を維持できるのではと可能性を感じ、日曜定休のトライアルにチャレンジしようと考えました」(蛭田氏)


在宅勤務を実施する企業が増え、一般家庭のデジタル化が進んだことも背景にあった

 社内からも、時代の変化に伴い育児中の共働き世代が増えたことで、「日曜休み」を望む声があったという。

 「小さな子どもがいる社員が日曜に出勤する際は、周囲の家族が面倒を見る、あるいは、日曜対応の保育園・幼稚園やベビーシッターに預けることが多いようです。当社には、土日出勤による子どもの対応にかかる費用を補助する制度があり、子育ての後押しはしています。しかし、『子どもの環境を変えたくない』『休日に子どもとゆっくり接したい』といった要望が以前より増えていると感じます」(蛭田氏)

 実際、日曜定休、あるいは土日のシフト制を実施したことで、社員からは次のようなポジティブな声が聞かれたそうだ。

 「平日の時間の使い方をこれまで以上に考えるようになった」

 「共働きでパートナーは土日休みのため、日曜日に家族全員で過ごす時間をつくることができてよかった」

 「日曜日が休日の友人と予定を合わせることができ、プライベートを充実させることができた」

 「先進的な取り組みですね、とお客様からコメントをいただいた」

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