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V・ファーレン長崎社長からJリーグ理事に ジャパネットたかた創業者の長女が語るJリーグの可能性ナガサキから、世界へ(1/4 ページ)

Jリーグの常勤理事に就任したのが、2月末までV・ファーレン長崎の社長を務めていた高田春奈氏だ。高田氏は、ジャパネットたかた元社長の高田明氏の長女。常勤理事就任とともにJリーグの発展に尽力する。地方のクラブの経営に携わった経験から感じているJリーグの可能性と、今後の抱負を聞いた。

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 Jリーグの新体制が3月15日に発足した。新チェアマンの野々村芳和氏とともに、新たに常勤理事に就任したのが、2月末までV・ファーレン長崎の社長を務めていた高田春奈氏(高は正確には「はしごだか」)。高田氏は、ジャパネットたかた元社長の高田明氏の長女で、ジャパネットホールディングスの取締役も兼務していたが、常勤理事就任とともに同社の役職も離れ、Jリーグの発展に尽力することになった。

 高田氏は「Jリーグのポテンシャルを、多くの人にもっと知ってもらいたい」と語る。地方のクラブの経営に携わった経験から感じているJリーグの可能性と、今後の抱負を同氏に聞いた。


高田春奈(たかた・はるな)Jリーグ常勤理事。2020年1月から22年2月までV・ファーレン長崎社長を務める。国際基督教大学卒業後、ソニー入社。秘書、人事を経て、05年ジャパネットたかたの人材開発を担うジャパネットソーシャルキャピタルを設立。ジャパネットグループの研修、採用、労務などの各種制度を構築する。10年エスプリングホールディングスを設立し、広告代理店エスプリングアジャンスと、人事コンサルティング会社エスプリングソーシャルキャピタルを傘下に置き、社長就任。メディアバイイングやクリエイティブに携わる。15年ジャパネットホールディングスと経営統合を行い、同社取締役、ジャパネットメディアクリエーション社長に就任。18年からはV・ファーレン長崎上席執行役員に就任し、広報・管理・運営部門などの責任者を歴任。一貫して人とメディアに関わる仕事に携わる傍ら、大学にて経営学・教育学について学び、東京大学大学院教育学研究科博士課程に在籍し、教育思想を研究(撮影:山崎裕一)

地方クラブから感じたJリーグの可能性

 高田氏が就任した常勤理事は、Jリーグのチェアマンをサポートしながら業務を進めていく立場だ。18年からV・ファーレン長崎の広報・管理・運営を担当し、20年1月に父・高田明氏の後を受けて社長に就任。22年2月まで、2年あまりにわたってクラブの経営に携わった。しかし、ジャパネットグループがV・ファーレン長崎に関わるまでは、サッカーにそれほど興味はなかったという。

 「以前はどちらかというとサッカーは好きではなくて(笑)、地元長崎にV・ファーレン長崎ができて、ジャパネットグループがスポンサーになったことで、注目して試合を見るようになりました。サッカーを見るというよりも、地元チームを応援する感覚でした。

 それから仕事でも携わるようになって、サッカーがすごいスポーツだと初めて理解しました。まず、ファンの層が幅広いですよね。若い人や家族連れだけでなく、シニアにも熱心なファンの方がたくさんいらっしゃいます。全身をユニフォームやグッズで固めて、仲間と一緒に応援して、勝った負けたで一喜一憂する。他のスポーツ以上に感情が揺さぶられるのがサッカーだと思っています」

 V・ファーレン長崎は、18年にグランドスローガンとして「正々道々〜ナガサキから、世界へ〜」を掲げた。被ばく地である長崎から、平和を発信することをチームの理念にしている。高田氏は地方のクラブから平和を発信できるのは、サッカーが持つ力だと感じている。

 「『ナガサキから、世界へ』は、世界で通用するクラブにするというよりは、長崎から平和を世界に発信できるクラブになろうと考えてつけたスローガンです。サッカーは世界で愛されているスポーツですので、平和を発信するクラブとしては可能性にあふれていると感じています。

 毎年8月9日に公式Twitterでつぶやくと、通常よりも多くの方に拡散されます。先日はウクライナの状況を踏まえてつぶやいたところ、通常の20倍もの『いいね!』がついて、たくさんリツイートされました。平和を求める気持ちは、サッカーを通して発信できるのではないでしょうか。

 V・ファーレン長崎で感じた可能性は、Jリーグの可能性でもあります。Jリーグや各クラブの社会連携には素晴らしい活動があるものの、まだまだ知られていないのが現状です。もっといろいろなところに出て行って、多くの人にJリーグの可能性を知ってもらいたいですね」

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