ネットカジノに消えた4630万円 「仮想通貨で隠蔽」は可能なのか?:本田雅一の時事想々(1/4 ページ)
阿武町が、総額4630万円の給付金を一人の男性に誤送金してしまった問題が連日、報道されている。容疑者はネットカジノでお金を使い果たしたとされている一方で、使わないまま資産を隠した可能性も考えられる。ネットカジノを経由して、マネーロンダリングをすることは可能なのだろうか。ITジャーナリストの本田雅一氏が考察する。
阿武町が、世帯あたり10万円の給付金の総額4630万円分を一人の男性に誤送金してしまった問題が連日、報道されている。5月18日夜にはこの4360万円を使い込んだとされる田口翔容疑者が、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕された。
田口容疑者は自ら警察に出頭して供述しており、犯罪になるとの認識も示し、さらには(返済原資にまったくあてはないものの)口頭では返金を約束してるという。この事件の行方は、捜査当局によって今後調べられていくだろうが、特に注目されるのはその“お金の行方”だろう。
田口容疑者が本当にネットカジノでお金を使い果たしてしまったのかどうか。現時点では真相は分からないが、「使っていない可能性」はあるのだろうか。
仮想通貨などに日常的に接していなければ、情報番組などを見ていても分かりにくい面もある。そこで「実際に隠蔽したかどうか」の事実関係は脇に置いて、「使わないまま資産を隠す」、つまりマネーロンダリングをすることは可能なのかどうかについて、本記事では検討していく。
警察は円建て送金を立件も、気になるのは海外送金
今回の事件では、4630万円のうち3592万円あまりがドル建てで海外ネットカジノの口座に送金されており、一回の送金単位は1万ドルだった。おそらく買い物、あるいはネットサービスの利用料と思しきデビット決済や円建て送金もあり、円建て送金の件で警察は立件。この送金先は国内事業者(あるいは情報提供に応じた事業者)である可能性が高そうだ。
具体的な罪状はともかく、刑事事件でも裁かれることになりそうだが、一方で気になるのが、幾度となく送金された海外ネットカジノ口座のお金だ。
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