ニュース
ディズニー入園料、30年で約2.5倍! 今後どこまであがる? 「綿密な戦略」を専門家が徹底解説:開園当初は4200円(3/4 ページ)
2021年10月、東京ディズニーリゾートのパークチケット価格(入園料)が最大700円値上げされた。ディズニーの価格改定をひも解いていくと、値上げで得た利益をサービス向上に投資し、顧客の満足度を高めるプライシング戦略が見えてきた。
「支払意思額」を超えない絶妙な価格設定
21年10月の値上げのポイントは、「支払意思額」を超えない絶妙な価格設定です。また、変動時の下限の7900円という価格は「顧客数維持・売り上げ最大」が狙えるとの判断から設定されている可能性が高いと考えます。
以下の表は、チケット価格変更時の売上数と顧客数の変化を独自に算出したものです。この表からは、なぜ変動時のその他の価格が8400円・8900円に設定されたかを読み解くことができます。それぞれ8500円、9000円に設定されたケースでは、売り上げ・顧客数ともに現在より下がっていることが分かり、閾値を超えない範囲で現状の価格が設定されています。
最も高く設定された9400円は、売り上げ・顧客数ともにやや下がりますが、来場制限や混雑具合を鑑み、収益を確保できるギリギリのラインだといえるのでしょう。
今回の値上げで1万円を超えることはありませんでしたが、今後さらにパークへ投資を重ね、顧客の満足度、支払い意欲が上がれば、また値上げの余地が生まれるでしょう。
関連記事
- 「住みたい街」常連の恵比寿が転落! 2位の吉祥寺は今後“ジリ貧”? 専門家が指摘する“なるほど”な理由
リクルートが3月に発表した「住みたい街ランキング2022(首都圏版)」。ここ10年近くは横浜、吉祥寺、恵比寿がトップ3を独占していたが、今回の調査では大宮が3位にランクイン。恵比寿が4位に転落したことが話題になった。なぜ、恵比寿は4位に甘んじることになったのか。リクルートSUUMO編集長の池本洋一氏は2つの理由があると指摘する。 - ホテル1室のアメニティー、清掃費用は一体いくら? ホテルの気になる“原価”あれこれ
コロナ禍で価格が下がっているホテル利用料金。そもそも原価はどのくらいなのだろうか。運営会社に取材を試みた。 - ビジネスホテルの“無料朝食”、気になる原価は一体いくら? 激化する“朝食合戦”から見るホテルの今
ホテルが朝食で特色を出そうとしていることは、宿泊者としてひしひしと感じる時がある。新たな施設の建設やリノベーションを施せば特色は強く打ち出せるが、コストはバカにならない。朝食は差別化のアイテムとして取り組みやすい部分なのだろう。 - 「プラスチック新法」に対応したらアメニティーが“ごっそり”盗まれた? 対応に右往左往する現場のリアル
4月1日に施行された通称“プラスチック新法”。「ホテルの客室からアメニティーが無くなる!?」といったうわさがまことしやかに広がったが、実際はどうなのだろうか。ほぼ毎日ホテルに宿泊する筆者が現場を調査したところ……。 - ドーミーインのこだわりは「大浴場」だけじゃない 店舗数拡大でも維持する「水風呂」と「朝食」の質
共立メンテナンスが運営するビジネスホテル「ドーミーイン」。大浴場のこだわりにとどまらず独自サービスを展開している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.