「個室サウナ」はなぜ人気なのか 年会費100万円超も登場:体験取材したところ(3/5 ページ)
2020年11月、個室サウナの先駆けとして「ソロサウナtune」が神楽坂にオープンした。それから、わずか1年半の間に1人やグループで利用できる「個室サウナ」が一気に増えたが、なぜここまで人気を集めているのか。専門家に話を聞いたところ……。
年会費100万円以上の超高級サウナも登場
現状の個室サウナは、1時間4000円前後の価格帯が主流だが、それらとは一線を画す高級路線の会員制施設も出てきている。
この5月に福岡でオープン予定の「脈 -MIYAKU-」は、最大6人まで利用できるグループ向けの施設。個人会員の入会金は80万円(初回入会割引で50万円)、年会費30万円で、年会費には毎月1回の無料利用が含まれる。法人会員は、入会金が300万円(初回入会割引で200万円)、年会費100万円(初回入会割引で90万円)で、年会費には毎月5回の無料利用が含まれる。
初回会員は、審査を通った90人となる。『GOETHE(ゲーテ)』の記事によれば、すでに首都圏からも応募が殺到しているらしい。
21年7月、恵比寿にオープンした「THE CLASS.(ザ・クラス)」も、話題を呼んでいる超高級会員制サウナだ。22年4月には、同ブランドの麻布十番店「ロカ・ザ・クラス」がオープンした。最大4人まで利用できて、個人・法人ともに入会金が22万円、年会費が110万円となる。さらに、1万2000円〜の都度利用料金がかかる。
ザ・クラスを運営するMAGMA The.(マグマ・ザ)社のCMO、北條敦也氏は「メインターゲットは法人で、勢いのあるスタートアップや芸能事務所が会員になっている」と話す。最近では、大手企業からも「会社の福利厚生にしたい」という問い合わせがあるそうだ。
ラグジュアリーな設備に加え、床や壁に敷き詰めた天然溶岩プレートを水蒸気によって温める「マグマスパ式サウナ」の特徴も。今回、「ロカ・ザ・クラス」で体験取材を実施した。
「ロカ・ザ・クラス」は男女グループでの利用も可能で、男女別にパウダールーム、シャワールーム、トイレがある。サウナは複数人が寝転べる広さで、照明を好きな色に変更できるカラーセラピーも搭載。
サウナの温度は65度と高くないが発汗作用はバツグンで、入って数分で全身からしっとりした汗が吹き出てきたのには驚いた。個人差はあるが、この発汗作用こそマグマスパ式サウナの特徴らしく、体内深部の温度を上げて温めるそうだ。
水風呂にも独自のこだわりがあり、富士山溶岩によってつくられた浴槽にミネラル鉱石水で濾過した水を使っている。
休憩スペースはテラス付きで開放感たっぷり。大きな画面で映像を見ながらリラックスするもよし、一緒に訪れた人との会話を楽しむもよし。貸し切りで贅沢(ぜいたく)な気分に浸ることができた。
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