浅草の“深い傷跡” キレイなまま閉業・休業するホテル続々、インバウンド消失の誤算:歩いてみた(3/4 ページ)
6月10日から訪日観光客の受け入れが再開する。観光業界からは喜びの声が上っている一方で、これまでの2年2カ月の間、インバウンド需要を失ったことによるダメージは大きい。訪日観光客に人気の浅草では、「建物は新しいのに人の気配が全くない」ホテルが多い。大小さまざまなホテルが並ぶ国際通りを歩いてみると、その異様さが浮かび上がる。
そのすぐ北には日本ビューホテルが展開する「浅草ビューホテル」がある。浅草を代表する同ホテルはもちろん営業しているが、通りを一つ浅草寺側に入った新ホテルの「浅草ビューホテル アネックス 六区」は開業の延期を続けている。
本来は20年5月の開業を予定していたこの新ホテルだが、同年3月時点で開業を2020年夏に延期すると発表した。その中で日本ビューホテルは「正式な開業日が決定しましたら、あらためてお知らせいたします」とコメントしたが、その後、現在(22年5月)時点でオープン日の告知はない。東京オリンピックでのインバウンド需要を見越して新ホテルを作ったが、新型コロナウイルスの猛威によりもとより営業している「浅草ビューホテル」自体の客室も埋まらない中、オープンに踏み出せずにいるではないだろうか。
新ホテルの建物はすでに完成しており、宿泊施設としての開業はしていないものの、21年夏にはアニメ『鬼滅の刃』と浅草のコラボイベント会場としてロビーが開かれ、多くの人でにぎわっていた。
西浅草エリア
「浅草ビューホテル」の北に位置するビジネスホテルの「ホテルタビノス浅草」は営業中だ。その先には、言問通りと国際通りが交わる西浅草三丁目の交差点がある。
この交差点を東側に曲がると、JHAT(東京都港区)が運営する「hotel MONday 浅草」がある。同ホテルは20年5月オープン予定だったところを2カ月延期し、20年7月に開業した。しかし、現在は休業している。エントランスには「新型コロナ無料検査」の案内が貼りだされ、検査施設として活用されていることが分かる。
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