就活戦線に異状あり──10年前の人気企業がTOP10から“消滅”した理由:13卒と23卒の人気ランキングを比較(2/4 ページ)
マイナビの2013年卒と23卒の就職人気企業ランキングを比較したことで分かったこととは?
ANA、オリエンタルランドもコロナで大ダメージ
13卒の2位以下の顔ぶれも見てみよう。2位はANA、3位にはオリエンタルランドが入った。ANAは18卒ランキングで26年ぶりにトップとなり、翌19年卒ランキングでも2年連続トップを守った。
ANAの決算状況を見ると、コロナ前の19年3月期決算では、売上高は2兆583億円、営業利益は1650億円と、4期連続で過去最高を更新した。だが、翌20年3月期決算では、売上高は1兆9742億円、営業利益は608億円に減少。コロナ禍の影響をフルに受けた21年3月期では、売上高は7286億円、営業損失は4647億円となり、最終的に過去最大の4046億円の赤字を記録した。
コロナ禍で航空需要が大幅に減少したことから、同社は客室乗務員(CA)の新卒採用を見送ったり、社員を外部の企業・団体に出向させたりするといった措置も実施した。4月28日に発表した22年3月期決算では赤字額は1436億円と縮小したものの、依然として厳しい状況が続いている。
「東京ディズニーランド・シー」を運営するオリエンタルランドもANA同様、コロナ禍での休園が大きく影響し、21年3月期決算では1996年の上場以来初となる541億円の赤字を計上した。その後も時短営業などが続いたが、直近の22年3月期決算では80億円の黒字に回復している。
13卒文系人気4位に「電通」
13卒文系の4位以下の企業を見ても、コロナで過去最大の1595億円の赤字を計上し、本社ビルを売却した「電通」(4位)、JTB同様に観光需要の減少で過去最大の赤字を記録した「エイチ・アイ・エス」(6位)、在宅勤務の浸透で鉄道収入が減少し、国鉄からの民営化後初となる5779億円の最終赤字となった「JR東日本」(10位)など、振り返るとコロナ禍の影響を大きく受けた企業が複数ランクインしていた。
その他は「三菱東京UFJ銀行」(当時、5位)、「日本郵政グループ」(7位)、「資生堂」(8位)、「ロッテ」(9位)がランクインしていた。
13卒理系人気2位に「東芝」
一方、理系学生の人気企業ランキングはどうか。TOP3は1位は「明治グループ」、2位「東芝」、3位「カゴメ」だった。4位以下は「ソニー」「資生堂」「トヨタ自動車」「JR東日本」、「旭化成グループ」「味の素」(ともに8位タイ)、「ロッテ」だった。
理系学生の人気ランキングで特筆すべきは東芝だろう。東芝は半導体事業が好調だったが、韓国サムスンなどの台頭で徐々に業績が悪化。15年には不正会計が発覚したことに加え、原子力大手の米ウエスチングハウス破産などで17年3月期には、国内製造業で過去最大となる約1兆円の巨額赤字を記録した。
その後もPC事業の売却に代表されるように事業再編を進め、現在では買収劇に揺れるなど、会社の存続すら危ぶまれる事態に陥っている。
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