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土屋鞄が「キノコから作るランドセル」に挑戦するワケ:老舗企業の意外な取り組み(1/2 ページ)
ランドセルやビジネスカバンなどで知られる土屋鞄製造所が、“キノコの菌糸体から作る”商品にチャレンジしている。1965年創業、老舗の革製品ブランドがなぜ、キノコから作る商品に挑むのか? 話を聞いた。
ランドセルやビジネスカバンなどで知られる土屋鞄製造所(土屋鞄、東京都足立区)が、“キノコの菌糸体から作る”商品にチャレンジしている。
土屋鞄はレザー代替素材を開発するバイオテック企業の米ボルト・スレッズ(Bolt Threads)社と共に製品を開発。ランドセル、カバン、小物など6商品のプロトタイプをこのほど発表した。そのうちの1つである財布「Mylo ハンディLファスナー」は年内に発売する予定だ。
1965年創業、老舗の革製品ブランドがなぜ、キノコから作る商品に挑むのか。
なぜ、キノコから作る商品に挑むのか?
土屋鞄の広報担当者に話を聞くと、「革以外の素材を用いた商品を希望する方に対して、広く土屋鞄の商品を届けたい」という思いを話す。さらに、土屋鞄だからこそ「ものづくり力の高さを通じて、新しい素材の発展に貢献できると考えました」と、自信も見せる。
通常の製品に使用している牛革には「個体差やパーツ差で素材の物理的性質が違ったり、キズがあって使えなかったりする部分が多く出る」という課題があるという。また同社では、食肉用の副産物にあたる牛革を活用しているが、昨今の価値観の多様化により、動物の革を避ける消費者が一定数いる。
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