「子育てと仕事の板挟み」だった隠れイクメンの末路──30代男性が苦しむ元凶:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(5/5 ページ)
若い世代では共働き世帯が多く、男性も家事や育児をするのが「当たり前」だが、上司にとっては「当たり前ではない」。そんな板挟みで、苦しむ30代男性が少なくない。なぜ、このような事態が起きるのか。当事者のインタビューを紹介しながら、「ちっとも変わらない」男性の働き方について解説する。
今の日本社会で進められている女性活躍や働き方改革は、男性が主な働き手だった「市場労働」に、女性を同化させることが目的となってしまっているのではないでしょうか。
「ケア労働も、国の成長、社会を支えるための必要不可欠な労働だ」と考えるならば、男性を女性のライフスタイルに近づける施策も同様に重視することになるはずです。
育児休暇を女性並みの取得率にするのは当たり前。育児だけでなく、介護休暇や介護時短勤務も充実させるのも当たり前なのです。
河合薫氏のプロフィール:
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)、『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)、『定年後からの孤独入門』(SB新書)、『コロナショックと昭和おじさん社会』(日経プレミアシリーズ)『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』(プレジデント社)がある。
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