コラム
トヨタが仕掛ける 次世代パワートレインの「全方位」戦略:カーボンニュートラルを見据え(5/5 ページ)
トヨタ自動車は現在、プリウスに代表されるハイブリッド車などを販売している。これから本格化するカーボンニュートラル(CN)の時代を見据え、BEVのみならず、水素エンジン車などを全方位で準備している。CNという山の登り方はさまざまだ。
CO2を排出しない革命的なICE
電気、半導体、造船など日本には、かなりの「お家芸」が存在した。だが、成功体験から脱しきれなかったことと、デジタルを駆使した潮流に乗り切れず敗北したのは誰もが知るところだ。
これに加えて自動車産業でも敗北すれば、日本のモノづくりの文化は終了する。米国のようにモノづくりを捨てて、金融、ITなどのサービス産業にシフトするしか道はない。
最終的なパワートレインは、1つか2つに収れんされていくと考えたほうが自然だろう。トヨタも、流れが確定した時点で全方位から何かに絞っていく戦略を取るかもしれない。理想的には「技術のすり合わせが必要な電気自動車」を発明できれば、欧州主導のEVの流れをひっくり返すこともできると筆者は思っている。もしくは、一切CO2を排出しない革命的なICEを開発することだ。
鼻から「そんなのできない」と諦めるのか、チャレンジしてみるのか。トヨタはHEVを発明したのだから、筆者はチャレンジしてほしいと思っている。
CNを実現するための「山の登り方」について最適なものは何か。多くの経営者が考える必要があるのは間違いない。そうしなければ温暖化対策が手遅れとなるからだ。
経営者の覚悟が問われる時代になった。
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