モンスト脱却目指すミクシィ、ゲームの次が公営ギャンブルとスポーツ事業なワケ:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(4/8 ページ)
今回取り上げるのはミクシィです。もともとは社名の通りでSNSの「mixi」として成長してきた企業ですが、その後は「モンスターストライク」が大ヒットしてモバイルゲームが中心の企業となっています。
定番タイトルの強さと参入障壁
ちなみに「ファミ通モバイルゲーム白書2022」によると、モンストは年間の推定売上高で国内3位と高順位をキープしています。その1つ下がガンホーの「パズル&ドラゴンズ」ですから、定番タイトルの強さが分かります。
業績は悪化傾向にあるわけですが、こういった定番化したタイトルはこれからもある程度安定して収益を得られる可能性は高いと考えています。というのも、モンストがリリースされたのが12年ですから、それから10年が経っています。となると高齢化したユーザーも多く、高齢化とともに新しいゲームを始めるハードルが上がっていく人が多いと見られるからです。さらに長期的なユーザーになる可能性があるということです。
また、現状のモバイルゲーム市場では、新しい作品で大きなヒット作を出すのが難しくなっています。というのもモバイルゲームの数が膨大になり、新しいゲームを見つけてもらうには多額の広告費を投入する必要が出てきました。そのため広告予算が潤沢な大手企業以外の参入ハードルが高くなっています。
そのため既にランキング上位で知名度もあるモンストのようなゲームは、成長は難しいものの見つけてもらいやすくある程度業績は安定していると考えています。
また、モンストは大型IPとのコラボによって業績が伸びる影響にあるようで、鬼滅の刃とのコラボの好影響も大きかったようです。ある種のコレクターのようなユーザーも多いと考えられますから、こういったコラボによる新キャラで一定の需要が見込めるという部分もあるでしょう。
そういった側面から考えても、ある程度の業績は維持できるのではないでしょうか。とはいえ、再成長や新しいヒット作を出していくことは容易な状況ではないでしょう。
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