学費は「出世払い」で エンジニア養成校「CODEGYM」が取り組むISAとは?:金融ディスラプション(2/5 ページ)
初期の費用支払いなし、いわゆる「出世払い」でエンジニアとなるためのカリキュラムを受講できるサービスがある。LABOT(東京都渋谷区)が運営する「CODEGYM(コードジム)」だ。初期費用のかからない「ISA」という支払い方法を使い、転職が成功したあとに、月額額面の10%を30カ月に渡って支払うという仕組み。
転職&年収アップの成功報酬
CODEGYMにおける、現在のISAの支払い条件を改めてまとめると次のようになる。
- 就職後の給与の月額額面の10%を支払う
- 支払い期間は30カ月(30回)
- 年収下限額は276万円
これはそれぞれどういうことか。まず、CODEGYMを卒業後、エンジニアとして年収330万円で就職できた場合を例に取ろう。このとき、計算上の月収は27万5000円。その10%は2万7500円となり、この額を30回に渡ってLABOTに支払うことになる。
合計支払い額は82万5000円となり、一括払いの69万円よりは高い。しかし初期費用が一切いらないこと、30回の分割払いであること、さらにもし転職後の年収が276万円を下回ったら、支払いが猶予されるというメリットがある。
つまり、年収アップのためにCODEGYMに通ったものの、就職に失敗したら費用は発生しない。一般的な前払いの場合、受講料をあらかじめ貯めておかなくてはならないし、教育ローンなどで分割支払いをする場合、転職が失敗しても支払いだけは必要だ。ISAは、成功報酬となっていて、利用者にとってはハードルが低い。
ではデメリットはないのか。1つは、転職が大成功して年収が大幅に上がった場合だろう。例えば、年収が810万の転職に成功したら、月収67万5000円。毎月の支払い額は6万7500円となり、30回の合計は202万5000円まで膨らんでしまう。
実はここにも配慮があって、CODEGYMのISAでは、支払い上限が設定されており、総額が99万円に達した時点で支払いが終了する。約15回の支払いで完了するというわけだ。
関連記事
- 社員9人で米ナスダック上場 日本のベンチャーWarranteeが進める“無料保険”とは何か
東京証券取引所を飛び越して、2月に米ナスダック市場に上場申請を行った日本企業がある。庄野裕介氏がCEOを務めるWarranteeだ。社員はわずか9人。フリーインシュアランス、つまり無料保険について国際特許を申請しており、ナスダック上場の知名度を武器に、世界展開を進める。 - クルマが持てなかった人にローンを クルマの遠隔制御で金融包摂を目指すGMS
仕事に必要なクルマが欲しいがローンの審査が通らない。クルマの遠隔制御技術を活用することで、こうした人にもローンを提供する仕組みを提供しているのがFintech企業、Global Mobility Service(GMS)だ。 - カンムPoolの驚異の仕組み クレジットなのに事前チャージ、チャージ金額から投資リターン
カンムの新サービスPoolの最大の特徴は、クレジットカードでありながら事前チャージを必要とし、チャージした金額に対して1%のリターンを期待できることだ。これを実現するために、複数法を組み合わせることで、擬似的に銀行ライクなサービスを実現した。その仕組とは? - Kyash、銀行介さぬ法人送金 ギグワーカーの報酬支払いプラットフォームに
Kyashは12月23日、法人向けの送金サービスを開始した。企業が、業務委託先や取引先に報酬などを送るプラットフォームとしての活用を目指す。まずはデリバリーサービスmenuに提供し、menuは配達員への報酬支払いに利用する。 - 決済手数料に悩む加盟店が、逆に決済手数料を受け取れる アララキャッシュレスの逆転の発想
ハウスプリペイドを企業に提供するアララは、新たにコード決済機能の提供もはじめ、店舗は独自Payサービスを実現できる。さらに、来春には非接触決済サービスの「iD」にも対応。このiDは、決済手数料負担に悩む加盟店にとって、逆に決済手数料を受け取れる機会をもたらす。 - BANK Payっていったい何だ? 単なるQRコード決済ではないその秘密
BANK Payというサービスをご存じだろうか? よくある説明だと、「PayPayのようなQRコード決済の1つ。ただし、利用すると銀行口座から即座に料金が引き落とされる」なんて書かれている。これは間違いではないが、BANK Payの一つの側面しか見ていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.