コラム
最低賃金930円、引き上げはあるのか? 「貧しい日本」を脱する最後の砦:岸田政権「1000円以上を目指す」(1/3 ページ)
現在の日本の地域別最低賃金は、全国平均930円だ。米国の半分以下、欧州の約6割という数字だ。岸田政権は「1000円以上を目指す」と声明を出しているものの、実際にいくらに引き上げられるのだろうか?
現在の日本の地域別最低賃金は、2021年10月以降において全国平均930円であり、最も高いのが東京都の1041円、最も低いのが沖縄県と高知県の820円となっている。
従業員へ支給される賃金は、最低賃金法で最低保障金額が決められており、経営側はそれを超える賃金を支給しなければならない。最低賃金は、最低賃金審議会の審議を経て毎年決定し、時給で示される。日本には、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金と、特定の産業ごとに定められる特定最低賃金の2種類がある。このコラムでは前者を中心に説明する。
一昨年の最低賃金は1円のアップだったが、21年10月の時点で902円から一気に28円のアップとなった。
岸田政権は、22年5月に公表した「経済財政運営と改革の基本方針」内で「最低賃金1000円以上を目指す」と発表した。コロナ禍で菅義偉前首相が掲げた「全国平均で時給1000円」からさらに引き上げる姿勢を見せたのだ。注目すべき点は、最終的な到達金額である。
最低賃金はいくらまで引き上がるのか?
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