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問題行動の多い社員のシフトを無断でカット 賃金補償の義務は生じる?判例に学ぶ「シフト制」(1/5 ページ)

シフト制の揉め事の一つであるシフトカット、労働契約書に「出勤日は会社が作成するシフトによる」と定めていれば、理屈上シフトカットは可能。しかし、状況によっては会社に賃金補償の義務が生じるケースもあるという。社会保険労務士が判例を基に解説する。

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 現代の労働形態の一つに、一定期間ごと働く日や働く時間を決める「シフト制」があります。一般的にアルバイトやパートタイマーなどの勤務管理方法として採用されているケースが多いです。今回はシフト制に関するトラブルやその防止策、シフト制の運用方法について解説していきます。

 シフト制での最大の揉め事は、なんと言ってもシフトカットでしょう。シフトカットとは、会社が一方的に特定の労働者の労働日数などを減らすことを指します。労働契約書に「出勤日は会社が作成するシフトによる」と定めていれば、理屈上シフトカットは可能です。

 しかし、シフトカットが自由にできるのかというと、状況によっては会社に賃金補償の義務が生じるケースもあります。どのようなケースが当てはまるか、判例から確認してきましょう。


労働契約書に従っていれば自由にシフトカットはできるのか?(画像:ゲッティイメージズより)

ケース1:問題行動のある社員のシフトカット(参考:東京地裁 2017年6月9日)

  • 従業員Yは時給制、1日の所定労働時間4時間、休日はシフトで決めるという、いわゆるシフト制の飲食店アルバイトとして雇用されていた。
  • Yはタイムカードの不正打刻を繰り返す、上司の指示に従わない、お客に暴言を吐き苦情が寄せられるなどの問題行動があり、面談をするも改善が見られなかった。
  • Yは入社から約2年にわたり週4〜5日の勤務実績があったものの、会社はYの行動を問題視してシフトを週1〜2日に減らした。
  • Yはシフトを元に戻すように会社に強く抗議したものの会社が応じなかったため、週5日勤務したときの賃金を補償すべきと主張し差額の支払いを求め訴えた。

判決は?

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