カメラ市場は縮小しているのに、なぜソニーの「VLOGCAM」は人気なのか:過去最高の予約(3/5 ページ)
カメラ市場が縮小している中で、ソニーの「レンズ交換式VLOGCAM ZV-E10」が注目を集めている。同社のミラーレス一眼カメラ史上、過去最高の予約数(発売当時)をたたき出しているが、なぜ人気を集めているのか。同社のマーケティング担当者に話を聞いた。
目を引く“モフモフ”。あえて異質感を演出
音声録音能力の高さも、スマホとの差別化ポイントだ。高密度でクリアな音声を実現するため、3指向性カプセルマイクを搭載。さらに、ウインドスクリーンで風のノイズを大幅に軽減する。
「動画において音声のクリアさは、非常に重要なポイントです。VLOGCAMシリーズは、室内の撮影はもちろん、風の強い野外でもウインドスクリーンの効果で話し手の声をハッキリと録音できます」(丸山氏)
毛が長くモフモフとしているウインドスクリーンは、飾り物のようにも見えて非常に目を引く。シンプルな形状にすることもできたが、あえてこのモフモフを選んだそうだ。
「従来のカメラとは一線を画するような“異質”な感じを強調したかったんです。モフモフのほかにも、自撮りに適したバリアングル式モニターを採用し、別売りのグリップもあります。PRする際もWebから店頭まで一貫して、それらの異質感が伝わるような見せ方を意識しました」(丸山氏)
黒いボディには黒いモフモフ、白いボディには白いモフモフを使って世界観が統一されている。SNSでは「白いモフモフがかわいい」といった声が複数見られた。
VLOGCAMシリーズは、まだスマホ以外のカメラを使ったことがないカメラデビューの初心者をメインターゲットに据えている。
そのため、多くの機能や特徴がありながら、使いやすさにもこだわる。背景ぼけ切り替えや商品レビューといった機能は、ワンボタンで設定でき、従来の一眼レフやミラーレス一眼のようにF値などの数値を細かく調整する複雑さはない。シンプルな設定で、スマホよりも明らかにクオリティーの高い動画を撮影できるのだ。
関連記事
- CDが苦戦しているのに、なぜ曲を取り込む「ラクレコ」は売れているのか
CD市場が苦戦している。売り上げが減少しているわけだが、CDをスマホに取り込むアイテムが登場し、人気を集めている。商品名は「ラクレコ」(バッファロー)。なぜ売れているのか調べたところ、3つの要因があって……。 - クラファンで3億6000万円を集めた製品は、なぜ謝罪に追い込まれたのか
クラウドファンディングサイト「マクアケ」に掲載され、3億6000万円近い資金を集め、反響を呼んだ超音波食洗機「ザ・ウォッシャー・プロ」。その一方で、「優良誤認ではないか」と疑問視する声が上がり、その反応もまた大きくなっていった。同プロジェクトは何が問題だったのか。 - トイレの個室に「使用時間」を表示 で、どうなったのか?
首都圏のオフィスで、ある「実証実験」が行われた。トイレの個室に「他の個室の使用状況」と「滞在時間」を表示したところ、どういった効果があったのだろうか。システム開発を手掛けているバカン社の河野社長に話を聞いたところ……。 - 真っ先に変えるべきは日本人の「思考」 オードリー・タンが貫く「透明性」と「多様性」
新型コロナの封じ込め戦略など、台湾の存在感が抜きん出ている。その中心人物として活躍しているのが、デジタル担当政務委員大臣のオードリー・タン氏だ。コロナ禍を通じて、日本が台湾に学ぶべきことは何か。 - すぐに完売! 1枚焼きの「ホットサンドソロ」は、どうやって開発したのか
食パン1枚でつくるホットサンドメーカーが売れている。その名は「ホットサンドソロ」。新潟県にある「燕三条キッチン研究所」が開発したアイテムだが、どのようにしてつくったのか。担当者に話を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.